Adobe Summit 2016に行ってきました(サミットレポート)|ウェブ部

Adobe Summit 2016に行ってきました(サミットレポート)

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2016年3月20日(日)~24日(木)(アメリカ時間)にアメリカ・ラスベガス行われた「Adobe Summit 2016」に、株式会社メディックスも参加してきました。

Adobe Summit(以下サミット)は、マーケティングとビジネスにおける変革の未来に焦点をあてた業界最大規模のイベントとして毎年実施されています。

今年のサミットテーマは「Experience Business(顧客体験中心のビジネス)」

具体的には「顧客体験中心のビジネスを実現、推進することが将来の企業繁栄につながる」というテーマです。

2015年のテーマは「Marketing Beyond Marketing」、2014年は「Marketing Reinvention」だったのですが、2016年のテーマから「Marketing」が消えているのは、「我々が素晴らしいCX、UXを提供する事にまずは注目すべき」という強いメッセージを感じました。

1、サミット全体概要

サミットには、業界最大級だけあってウェブマーケッターを中心にAdobe社製品を活用している企業や、弊社のようなソリューションパートナー企業関係者などが国を越えて参加をしていました。

弊社もAdobe AnalyticsやAdobe Targetのソリューションパートナーであることから、毎年参加をしています。

昨年まではユタでの開催でしたが、初めてラスベガス開催となりました。過去最大の1万人以上の参加者で、日本からだけでも150人ほどの参加者だったようです。

今年のサミットは、テーマである「Experience Business(顧客体験中心のビジネス)」にそって239セッションが実施されました。

Adobe社製品の今後のロードマップなど参加者全体にむけてのゼネラルセッションや、Adobe社製品の終日有料トレーニング、Experience Business(顧客体験中心のビジネス)を実施されている企業がどのようにソリューションを活用して実現しているかなどの事例セッションほか、様々なものがありました。

筆者は、弊社で取り扱っているAdobe Analytics、Adobe Targetなどの新機能や活用事例のセッションを中心に参加してきました。

 

【日別トピックス】

日程は5日間、過去開催より日数が増えての開催です。下は日別サマリーです。

◆3月20日(日)、3月21日(月)

各ソリューションのトレーニング(英語版:別途有料)が受講できます。

日本で受講するよりは少しリーズナブルです。そして、3月21日(月)のパートナーデーは弊社のようなソリューションパートナーを1日早めに召集して、今回のサミットサマリーや今後のロードマップ、優秀なパートナー会社の表彰などがありました。

※パートナー企業にむけたセッション
図1

◆3月22日(火)

オープニングの基調講演では、Adobe社CEOのシャンタヌ・ナラヤン氏のトークで幕が開け、「This is The Experience Era(今はまさに顧客体験の時代)」と語っていました。

その後、ほかの講演でも今年のテーマである「Experience Business」(顧客体験中心のビジネス)が語られ、それにちなんだセッションも数多く行われました。

◆3月23日(水)

4日目の基調講演では、各界の著名人のトークが盛りだくさんでした。

MATTEL社のCOO、Richard Dickson氏から始まり、アメリカ女子サッカー代表の選手、Abby Wambach選手、シルクドソレイユのVice President Alma Derricks氏、ハリウッド俳優のGeorge Clooney氏などが登壇されました。

そのほか、各ソリューション担当者がTIPSや小ネタを披露して人気投票を競っていたり、また夜には、世界的に有名なミュージシャンWeezerのコンサートがあったり、非常に盛り上がっていました。

◆3月24日(木)

最終日は朝からSuper Sessionがあり、著名なマーケッターを招待して事例などの紹介。

午後からのHands-on Labでは、スクリーンをみながら会場に用意されたPCで実際に操作して理解する、という楽しいセッションもありました。

この5日間は早朝から夜まで様々な情報が得られ、本当に楽しい充実したサミットでした。

2、筆者が参加したセッションでみつけた注目トピックス

次は筆者が参加して個人的に面白いと思ったサミットのトピックスです。

日本語通訳でのセッションもありましたが、興味がそそられるものがなかったので、英語セッションに参加した結果、面白い体験が沢山できました。

ほかのサミットレポート記事とは違ったニッチなポイントでお話しようと思います。

■バービー人形メーカーMATTEL社の話で感じた「違い」

2日目の基調講演に登場した、「バービー人形」で有名な玩具メーカーMATTEL社のCOO、Richard Dickson氏のお話の中で、バービー人形の売上の伸び悩み時期に、いかにブランド価値を失わず、子供達の声を反映するかに力をいれたこととは、顔や肌の色のバリエーションを増やすこと。

改善をおこなって人気が復活したということだったのですが、改善の1つに「バービーにヒール以外の履物をはかせるようにした!」というところで、会場が「YEAH!!」と一番盛り上がったのは意外でした。

「そのポイントか!」と欧米人と日本人の盛り上がりポイントの違いを思い知ったセッションでした。(確かに履物が自由になるのは素晴らしいことなのですけどね)

最近の子供達からの要望は、「バービーにお話をさせてほしい」だそうです。いつか子供達の要望がかなうといいですね。

※子供達に身近なバービーに。肌色、髪型、バリエーション豊富な現代のバービー人形
図2

 

バイオリンの演奏で始まったスーパーセッション

最終日の朝9時から、有名企業のマーケッターや著名なコンサルタントが登壇するスーパーセッションが開催されました。

「Travel digital transformation – Customer centricity and the journey to personalization(旅行業界のデジタル変換-顧客中心主義とパーソナライゼーションへの探求)」というトラベル業界のパーソナライゼーション事例のセッションに参加しました。

各事業者でマーケティング担当されているパネラーの皆さんが、どうマーケティング活動をされているかをプレゼンされた後、パネルディスカッションするという内容を楽しみにしていたのですが、まさかの開始10分前からバイオリンの演奏が始まったのです。

さすがスーパーセッション!と思ったのですが、ほかの会場では演奏はなく、この会場だけだったそうです。(ちなみにセッション終了後も演奏されていました)

※きれいな音色で早朝の眠さをふっ飛ばしてくれたバイオリン演奏
図3

そのセッションで面白かったのは、MarriottホテルのDevin Sung氏(Marriott VP personalization)のプレゼンでした。

「Travel can Be Stressful(旅行はストレスになりがち)」から始まったプレゼン資料がとても印象的でした。

確かにそうですよね、知らない土地に行く楽しみもあるけど、それ以上に時間通りに目的地につくのか、ホテルはすぐわかる場所なのか、など不安要素も多いです。

それをマーケティングに重ねて、企業側がユーザの「知らない要素」が「ストレスを導く」ということを認識して、「継続してユーザ識別を行い」「データの取り込みと洞察、意思決定を行う」結果、「組織的活性化」が可能となる。

だから、一方的なキャンペーンをするのではなく、ユーザとのコミュニケーションをとり続けていく、という素晴らしいお話でした。

また、パネリストとしてIBM社の方も参加していて、IBM社の意思決定支援システムといわれる「Watson」とAdobe Experience ManagerやAdobe Target連携をして、ホテルのTOPページのパーソナライズ化をする、というデモもみることができました。

自動学習するシステムとの連携は、ユーザを識別する上では効率的で、嗜好もはっきりしやすそうなこのシステムを触ってみたいと思いました。

 

※これで始まったセッション。ストレスフルらしい
図4

 

※IBMデモ。左はサイトプレビュー、右は管理画面
図5

 

■「Analytics Idle!」悩みは共通、世界の皆もがんばっている

3日目のセッションで「Analytics Idle!」という少し変わったタイトルがあったので、もちろん参加しました。

これは、アメリカのマーケッター(主に現場に近い)の方達が、自分の作業にこんな工夫をしている、というお披露目の場で、最後に投票があって一番素晴らしいTIPSをプレゼンした人が表彰される、というセッションでした。

例えば、ビデオトラッキングの際、OSのバージョンアップが発生してトラッキングバグが発生していた場合の計算指標の作り方、などちょっとニッチな内容なのです。

私が注目したのはを使ってレポーティングする際にコメントまで自動化する、というプレゼンでした。

Excelのテキストを数値連携して表示を変更できるモジュラーを作って、レポーティングを自動化しているというもの。

例えば、ある閾値を設定しておいて、report builderから抽出された数値がその数値より低ければ「前月数値よりも低い数値となっている」などの考察テキストが記載されるというものです。

確かに週報などの考察程度であれば、このような方法も工数削減でよいなと感心しました。

ちなみに5名の発表の中で、このプレゼンをされた方の投票数が一番高かったです。世界の皆さんも悩みは共通で、色んな工夫をされているのですね。

 

※発想が素晴らしいです
図6

 

 

※最終的にこんなきれいなレポートが自動更新されれば嬉しいですよね
図7

 

3、最後に。

まだまだ沢山のセッションに参加しましたが、筆者が特に印象に残っている3つを紹介しました。

サミット全体を通してもう1点感じたことは、どのセッションのプレゼン資料もビジュアライズが非常にきれいでわかりやすかったことです。

さすがビジュアライズ大国のアメリカだなと勉強になりました。筆者の資料も今後反映できればと思っています。

※例)沢山のユーザステップをシンプルでわかりやすくまとめています
図8

 

以上、Adobe Summit2016サミットレポートでした。

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