Google広告において、リスティング広告やディスプレイ広告の運用で成果を上げるためには、キャンペーン・広告グループの設計や広告クリエイティブ、ターゲットなど、様々な要素を考慮する必要があります。その中で、「いつ配信すべきか?」という点に悩んでいる担当者も多いのではないのでしょうか。
この記事では、広告を適切なユーザに然るべきタイミングで届けるための機能「スマート自動入札」について説明します。
■リスティング広告の最適化については次の記事も併せてお読みください。
<広告配信プラットフォームの仕組みを理解し、設計する>
【hagakure】コンバージョン数が1.85倍?アカウントストラクチャー実績と手順を紹介!
https://medix-inc.co.jp/webbu/hagakure-3772
<どういったユーザにあてるのか?>
【4つの新機能】意外と活用されていないリスティング広告のターゲティング
https://medix-inc.co.jp/webbu/search-advertising-4596
目次
今探しているユーザをキャッチするためにスマート自動入札を有効活用しよう!
まずは以下のグラフをご覧ください。
これは、Googleトレンドで「梅雨明け」というキーワードの検索数ボリュームを、2019年7月25日から過去3年間調べた結果です。
関東甲信越地域で梅雨明けの日が発表された前後に、特に検索数が大きく伸びています。このように、過去3年間の傾向を見ても、梅雨明けの日は異なっています。例えば、梅雨の間は、傘やレインブーツに加えて屋内で過ごす商品が売れ、梅雨明け発表日以降はTシャツやポロシャツ、海水浴・キャンプ用品といった屋外で過ごす商品が売れやすくなります。
ユーザによるキーワードの検索が始まるタイミング、または購入につながりやすくなるタイミングを完全に読むことは難しいです。
そのような問題を解決するのが、「スマート自動入札」という機能です。
スマート自動入札の機能を活用すると、自社の過去の広告配信結果やメディアが持っているマーケットデータをもとに『未来予測』し、24時間365日然るべきタイミングで、リスティング広告やディスプレイ広告の入札がされます。そして、今まさに情報を探しているホットユーザにリーチします。また、機械学習が進むことで、リーチするだけでなくコンバージョンといったアクションに期待できないと判断すると、ユーザ単位で入札を下げます。その結果、この積み上げが全体の最適化・最大化につながるのです。
- 手動入札は、キーワード・ターゲティングが同じであれば、入札単価はすべて同じ。
- スマート自動入札は、すべてのオークションにおいてユーザごとで入札単価を変化。
リスティング広告で結果を求めるのであれば、入札においても「個別ユーザへのフルカスタマイズ」が重要になります。
スマート自動入札とは
スマート自動入札とは、自動入札戦略の一部です。ユーザのシグナル(情報)をもとに、個別に広告掲載を最適化します。「オークションごとの自動入札機能」とも呼ばれています。
シグナルは、ユーザの検索キーワードや過去に見たコンテンツ、位置情報やブラウザなどです(下図参照)。このような情報をもとに入札すべきかどうか、また、その強弱を判断し、自動的に入札を行います。
スマート自動入札を利用するときに一番肝心なのは「コンバージョンの数」です。
判断できる「量」がないと、機械学習も働きません。
目安は、1カ月に最低50件のコンバージョンが必要といわれています。
(同一の自動入札を適用しているキャンペーンやポートフォリオ戦略内で)
15~30件程度でも自動入札の機能を使うことはできますが、その精度は低くなる傾向があります。逆を言えば、コンバージョン数が多ければ多いほどブレ幅は少なくなり、精度が増します。
スマート自動入札の種類
スマート自動入札には、様々な種類があります。以下、代表的なものです。
- 目標コンバージョン単価
- 目標広告費用対効果
- コンバージョン数の最大化
- 拡張クリック単価(eCPC)
スマート自動入札をこれから始めるのであれば、まずこの中の「コンバージョン数の最大化」を試してみることをお勧めします。まずは、1日の予算を決め、積極的にオークションに参加し、現在の設定においてコンバージョンにどれぐらい繋がるかを見極めましょう。
その後、目標に応じて「目標コンバージョン単価」「目標広告費用対効果」にチャレンジし、
安定化を図ってみてはいかがでしょうか?
入札戦略名 | 機能 |
Google:拡張クリック単価(eCPC) | コンバージョンに期待できるユーザに対して積極的にリーチ。そうでないユーザにはリーチを押さえていく機能。。 |
Yahoo!:コンバージョン数の最大化 | |
Google:目標コンバージョン単価(tCPA) | 目標とするCPAを維持しつつ、できるだけ多くのコンバージョン数の獲得を目指す機能。 |
Yahoo!:コンバージョン単価の目標値 | |
Google:目標広告費用対効果(tROAS) | 目標とするROASを維持しつつ、できるだけ多くのコンバージョン数の獲得を目指す機能。 |
Yahoo!:広告費用対効果の目標値 | |
Google:コンバージョン数の最大化 | 1日のキャンペーン予算すべてを使おうとしながら、コンバージョン数の最大化を目指す機能。 |
Yahoo!:なし |
スマート自動入札の機能「下書きとテスト」を使うと効率的
「いきなりスマート自動入札を使うのは怖い」「過去の失敗は繰り返したくない」と心配でしたら、「下書きとテスト」の機能を使うのをおすすめめします。文字どおりテスト機能です。
実際に広告は配信されますが、広告表示される機会の50%をスマート自動入札、50%を手動入札といった形でABテストが行えます。自動入札の効果を確かめるために、新しくキャンペーンや広告グループを作成するより無駄なく効率的にテストが行えます。
また、ABテスト結果をもとに、100%スマート自動入札を採用するといった変更も容易にできます。
まとめ
Google広告のリスティング広告やディスプレイ広告は、デジタルマーケティングの中でも刈り取り施策として非常に有効な手段です。貴社ビジネスにも与える影響が大きく、また、期待値も非常に高いと考えています。昨今、世の中的にAIや機械学習といったものが注目され、リスティング広告においても『スマート自動入札(自動入札)』を理解し、しっかり活用できているか?が主流になりつつあります。ぜひ、この機会に検討をおすすめいたします。