マイクロソフト広告とは?Google/Yahoo!広告との違いや実施メリットを解説|ウェブ部

マイクロソフト広告とは?Google/Yahoo!広告との違いや実施メリットを解説

ディスプレイ広告
マイクロソフト広告とは

2022年6月に日本で提供を開始されたマイクロソフト広告。形式がGoogle広告やYahoo!広告と似ているため、本文ではその違いや独自の特徴などを解説します。

マイクロソフト広告とは?

マイクロソフトとは、アメリカ合衆国ワシントン州に本社を置くソフトウェアを開発し販売する会社です。パソコンOSとしてWindowsを開発し、Windows向けのサービスとしてbing、Edgeブラウザなどさまざまなサービスを合わせて開発しました。

マイクロソフト広告は、マイクロソフト社が提供するブラウザ・サービスを利用するユーザへリーチすることができる広告です。

※配信面、サービス内容の詳細は後述します。

マイクロソフト広告の配信メリット

ショッピング広告面の面拡大が可能

マイクロソフト広告には、今までGoogleでしか配信できなかったショッピング広告の掲載枠があります。そのため、ネットで商品の販売など実施している広告主は配信の拡大が可能になりました。

マイクロソフト社は欧米ではNetflixとも提携しており、国内でも将来性に期待できる

Netflixが広告つきのプランを開始し、今後マイクロソフト広告のNetflix配信枠拡大が期待できます。

Google広告と入稿規定が似ている導入工数がかからず実施可能

マイクロソフト広告は、Google広告やFacebook広告から直接キャンペーンをインポートすることができます。すでにGoogleやFacebook広告を配信をしている広告主は、手間をかけず入稿作業ができ、工数削減につながります。

マイクロソフト広告の特徴

利用者の規模

日本では、会社などでビジネス利用されるPCにWindowsが支給されることが多い傾向にあります。国内のPCにおけるWindow OSのシェア率のデータからもわかるように、全体の中で7割を超えており他のOSを抑えて1位です。

日本におけるOSのシェア率

参照:https://www.qbook.jp/column/20220808_1401.html

そして、Window OS利用者は、推奨の設定となる検索エンジン(Bing)、メールツール(outlook)をそのまま利用するケースが多く、Googleをはじめとした他のサービスと比較しても引けを取らないユーザの数を誇っています。

検索エンジン世界、国内シェア率

検索エンジン世界、国内シェア率

参照:https://seolaboratory.jp/75138/

ユーザ属性

マイクロソフトのユーザは「役職者が多い」「高額商品の購入意欲が高い」「オンライン活動が活発」「サステナビリティへの関心度が高い」などの特徴があり、高所得者が多くリテラシーの高い層の含有率が高い傾向があります。

マイクロソフトユーザの特徴

また、性別では男性が多く(57%)、年齢は平均44歳です。公式の媒体資料によると、16~24歳・45歳以上でGoogleのシェアを上回っています。

マイクロソフトオーディエンスネットワークのユーザ属性

 

マイクロソフト広告でできるターゲティングの種類の中にも、年齢、性別、デバイス、企業、業界、役職など設定が可能なため、より詳細にビジネスマンのターゲットを狙いやすくなっています。

マイクロソフト広告のターゲティング

マイクロソフト広告は、Google広告、Yahoo!広告と共通のターゲティングと独自のターゲティングがあります。以下の表がターゲティング詳細となっており、黒字部分がGoogle・Yahooと同様、赤字部分がマイクロソフト独自のターゲティングです。

Google広告とYahoo!広告にありマイクロソフト広告にないターゲティングは、STG(サーチターゲティング)・CTG(コンテンツターゲティング)のようなキーワード系のターゲティングです。

マイクロソフト広告のターゲティング

※LinkedIn:世界最大級のビジネス特化型SNS。
各ターゲティングの詳細はヘルプをご確認ください。:https://help.ads.microsoft.com/#apex/ads/ja/56892/1-500

マイクロソフト広告の配信面

マイクロソフト広告に配信面は「Microsoft Bing」「msn」「Microsoft Edgs」「Outlook.com」の4つがあります。

マイクロソフト広告の配信面1

マイクロソフト広告の配信面2

①Microsoft bing(検索エンジン)

bingはマイクロソフト社が提供する検索エンジンです。Windows10搭載のPCにおけるデフォルトの検索エンジンで、国内シェアではGoogle、Yahooに次いで3番手に位置しています。

②msn(ポータルサイト)

msnはマイクロソフト社が運営するポータルサイトです。Web検索をはじめ、ニュースや天気などの情報を見ることができます。

③Microsoft Edge(ブラウザ)

Microsoft EdgeはInternet Explorerの後継ブラウザです。デフォルトの検索エンジンはbingに設定されています。

④outlook(メールサービス)

Outlookはマイクロソフト社が開発したメールソフトです。ビジネスメールとして多くの企業で利用されています。

マイクロソフト広告の配信形態

マイクロソフト広告の配信形態は「検索ネットワーク」と「オーディエンスネットワーク」があります。

検索ネットワーク

その名の通り、ユーザが何かを検索した際に表示される広告になります。配信面はMicrosoft bing(検索エンジン)が該当します。
検索ネットワークを利用して、2種類の広告を配信することが可能です。

①テキスト広告
ユーザが検索した際に、検索結果に並んで掲載されるテキスト広告です。Google・Yahoo!のテキスト広告と同じイメージです。現時点ではPC掲載のみですが、今後モバイルでも広告が表示可能になる予定です。

②ショッピング広告
ユーザが商品名やジャンル名で検索した際に、複数の商品を写真、値段、販売店、ユーザーレビューなどを見せることができる広告です。検索広告の中で一番上や右上など目立つところに掲載されるため、視認性が高くECなどを実施している場合は有力な広告枠です。

マイクロソフト広告の配信形態_ショッピング広告

オーディエンスネットワーク

メールやポータルサイトの記事一覧など、コンテンツの内容に自然と融合しているように掲載されている広告です。
msn(ポータルサイト)、Microsoft Edge(ブラウザ)、outlook(メールサービス)に配信されます。

マイクロソフト広告オーディエンスネットワーク

bing面において、Yahoo!広告との関係や出稿の違いは?

2022年11月現在、 Microsoft Bing面にはマイクロソフト広告とYahoo!広告のどちらも表示されます。今後は徐々にYahoo!広告のインプレッションが減り(=マイクロソフト広告の比重が増え)、将来的にはマイクロソフト広告のみ配信予定となっています。
またYahoo!Japanとマイクロソフト広告の両方を同じ広告主から配信した場合、両方表示される可能性はありますが競売は起きません。

bing面でのYahoo!広告

また、配信できるコンテンツの内容にも違いがあります。Yahoo!経由でのbingの広告掲載はテキスト広告のみに対して、マイクロソフト広告経由ではショッピング広告配信や広告表示オプションの利用が可能です。

マイクロソフト広告経由ノYahoo!広告掲載

マイクロソフト広告の配信に向いているアカウント

以上のマイクロソフト広告の特徴により、下記の特徴があるアカウントはマイクロソフト広告の実施が向いていると考えられます。

  • Yahooサーチでbingに配信している
  • ショッピング広告を実施している
  • ターゲットが高所得者ビジネスマンOR高額商材

マイクロソフト広告のはじめかた

アカウント作成方法

マイクロソフト広告を実施するにはまずアカウントの作成が必要になります。公式サイト(account.microsoft.com)にて「サインイン」→「作成」にてアカウントを作成します。

Google広告、Facebook広告を活用した入稿方法

マイクロソフト広告はGoogle広告やFacebook広告から直接キャンペーンをインポートすることが可能です。そのため、既に広告配信を実施している場合は工数を削減して広告配信ができます。

Google広告のキャンペーンインポート方法

Google広告のキャンペーンのインポートは下記の6ステップで完了します。

Google広告インポート方法

Google広告からインポートされない項目

Googleアカウントの内容をインポートした際、マイクロソフト広告にはインポートされない項目もあります。Google広告で設定している場合は必ずインポート実施前に確認しましょう。

リストタイプ 詳細
Web サイトの訪問者 • 特定の期間中のページ訪問者
• 特別なタグがあるページ訪問者
• Microsoft 広告でサポートされないパラメーターを使用して作成されたもの (たとえば、ページ タイプまたはカテゴリーID)
• 390 日以上のリストは、インポート中に390 日に短縮されます。
Google アナリティクス
リマーケティングリスト
Google アナリティクスで作成され、Google 広告で共有したリマーケティング リストはインポートされません。
スマートリスト 「Google 広告 最適化されたリスト」のようなスマートリストはインポートされません
顧客リスト カスタマー マッチ リストはすべてインポートされません
類似オーディエンス 類似オーディエンスはすべてインポートされません
YouTube訪問者 リストはすべてインポートされません
App ユーザー

 

Google広告をインポートする際の注意

インポートした際に同時に広告が配信されてしまう可能性があります。誤配信を防ぐために、下記項目へのチェックを必ず入れましょう。

Google広告をインポートする際の注意

Facebook広告のインポートについて

Facebook広告のインポートについては、下記サイトに詳細が掲載されております。

Facebook広告からのインポート方法:https://help.ads.microsoft.com/#apex/ads/ja/60078/0
Facebook広告のインポートできる項目:https://help.ads.microsoft.com/apex/index/3/ja/60077

検索ネットワーク配信の入稿

テキスト広告の入稿における広告表示オプション

マイクロソフト広告ではGoogle広告やYahoo!広告で馴染みのある、サイトリンク・コールアウトなどの広告表示オプションを活用できます。また、マイクロソフト広告のみで利用できる新しい表示オプションもいくつかあります。

広告表示オプション

マイクロソフト広告のみで利用できる広告表示オプションは「マルチ画像表示オプション」「行動喚起表示オプション」「フィルターリンク表示オプション」「動画表示オプション」の4つです。

マイクロソフト広告のみで利用できる広告表示オプション

また、上記の広告表示オプションには現在準備中のものもあります。2022年8月現在の広告表示オプションの利用可否はこちらになります。

 

■広告表示オプション一覧

  広告表示オプション 利用可否
YG共通 サイトリンク表示オプション
コールアウト表示オプション
構造化スニペット表示オプション
価格表示オプション
画像表示オプション
住所表示オプション
電話番号表示オプション ×
アプリリンク表示オプション ×
プロモーション表示オプション ×
レビュー表示オプション
フライヤー表示オプション ×
Microsoft広告のみ マルチ画像表示オプション 確認中
行動喚起(CTA)表示オプション
フィルターリンク表示オプション
動画表示オプション
パーパス(企業存在意義)表示オプション 確認中

テキスト広告入稿規定

マイクロソフト広告のテキスト広告は、レスポンシブ広告と動的検索広告の2種となっています。※拡張テキスト広告は2022年8月29日以降、新規作成・編集ができなくなっています。

■テキスト広告

広告タイプ テキスト種類 MAX文字数(半角) MAX本数 補足
レスポンシブ検索広告 広告見出し 30文字 15本
(推奨 8本~10本以上)

特定の位置にピン留め可

広告テキスト(説明文) 90文字 4本 (推奨 2本以上)
最終URL 2048文字 1本  
動的検索広告   日本未対応※2022年8月時点

参考ヘルプ
検索広告:https://help.ads.microsoft.com/#apex/bae/ja/60038/1
動的検索広告:https://help.ads.microsoft.com/#apex/bae/ja/56877/-1

ショッピング広告入稿規定

マイクロソフト広告の中のショッピング広告は、Googleと同様に無料枠と有料枠で配信面が分かれており、有料枠の方がよりCTRが高い傾向にあります。

Google広告を実施済みの場合は、フィードデータを直接インポートして出稿することが可能です。Google広告のフィードから直接読み込めるもの、流用できないものは一部ですが以下で紹介します。

■マイクロソフトフィードへ流用できるGoogleフィードの主な項目(一部)

Googleフィード項目 説明 表記例
ID [id] 商品固有のID A1234_567890
タイトル [title] 商品の名前 メンズ ピケ ポロシャツ
説明文 [description] 商品の説明 黒、綿 100%、XL サイズのメンズ T シャツ
価格[price] 商品の価格 3000 JPY
商品画像リンク [image_link] 商品のメイン画像のURL https://www.○×○×.jp/img12345679.jpg
商品リンク [link] 商品のランディングページ https://www.○×○×.jp/12345/679
Google商品カテゴリ
[google_product_category
ショップの商品向けにGoogleが定めた商品カテゴリ アパレル&アクセサリー > クロッシング > アウター > コート&ジャケット
商品カテゴリ [product_type] ショップの商品向けにショップ側で定める商品カテゴリ 日用品>男性>シャツ
状態[condition] 商品の状態 new
在庫[availability] 商品の在庫状況 in stock
ブランド[brand] 商品のブランド名 あいうえお株式会社
gtn[gtin] 商品の国際取引商品コード 123456789
製造番号[mpn] 商品の製造番号 12345678910
性別[gender] 商品内容に適切な性別を設定 male
柄[pattern] 商品の柄や模様 ストライプ
年齢層[age_group] 商品内容に適切な年齢層を設定 adult
色[color] 商品の色 Black
サイズ[size] 商品のサイズ XL

■マイクロソフトフィードへ流用できないGoogleフィードの項目

Googleフィード項目 説明 表記例
税金 [tax] Merchant Centerで作成した米国の税金の設定を変更可
送料 [shipping] Merchant Centerアカウントの送料設定よりも個々の商品アイテムの送料設定を優先する場合のみ、この設定を使用 ※個別送料
搬送重量 [shipping_weight] Merchant Centerの設定で送料を算出するときに使用する重量を指定 3kg
ポイント [loyalty_points] 商品を購入した買い物客がどのポイントを何ポイント獲得できるかを指定 100ポイント
分割払い [installment] 月々の分割払いプランの詳細 3か月払い
非掲載先 [excluded_destination] 特定のタイプの広告キャンペーンに商品が掲載されないようにする際に使用する設定項目

※上記の項目はその情報自体設定不可です。Microsoftフィード用の別の項目名で設定することもできません。
※その他の項目の詳細については下記をご確認ください。
 項目について:https://help.ads.microsoft.com/#apex/ads/ja/51084/1
 Googleフィードとの比較:https://help.ads.microsoft.com/#apex/ads/ja/51111/1 

オーディエンスネットワーク配信の入稿規定

オーディエンスネットワークの画像、テキストの入稿規定です。テキストはすべて1種類ずつの入稿が必須、画像に関しては1:91:1、1:1が推奨のサイズとなります。

オーディエンスネットワーク配信の入稿規定

参考:https://help.ads.microsoft.com/#apex/ads/ja/56912/0-500

まとめ

マイクロソフト広告の特徴・仕様などご理解いただけましたでしょうか。

マイクロソフト広告はGoogle・Yahoo広告のようなメジャーな要素は兼ね備えつつ、独自のコンテンツも多くあるため既存・新規ユーザへの新しいアプローチ方法として有力な広告になっていく可能性が高いと考えられます。

既存の広告との違いや共通部分をしっかり抑えながら、最適化していただければ幸いです。

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