Web広告の運用を実施する上で出てくるキーワード、「フリークエンシー」。
フリークエンシーがWeb広告の運用において、どのような影響を与えるのか、Web広告を取り扱うみなさんは把握しているでしょうか?
フリークエンシーを設定することによる主なメリット
- 無駄なコストを下げられる。
- 広告表示過多により、広告への印象が悪くなることを防止 など
フリークエンシー設定によるメリットは大きいと言えます。
この記事では「フリークエンシーとは一体どういったものなのか」という概念の説明、「フリークエンシーがWeb広告の運用結果にどのように影響してくるのか」「最適なフリークエンシーの抽出方法」をお伝えします。
目次
フリークエンシーとは
Web広告におけるフリークエンシーとは、ユーザがある一定期間の中で特定のWeb広告と接触した「頻度」のことを指します。(単位は回)
一部のWeb広告では、1ユーザに対して配信する頻度や、期間を設定することができます。
また、フリークエンシーの話になるとリーチと混同してしまう人が多いようです。
リーチとはターゲットユーザ全体に対して広告に接触したユニークユーザ数を指します。
(場合によって、ユニークユーザ数ではなくターゲットユーザ全体に対する接触率を指すこともあります。)
- 多くのターゲットユーザに広告を見てほしい⇒リーチを高める、増やす、上げる
- 一定のターゲットユーザに頻度高く広告を見てほしい⇒フリークエンシーを高める、増やす、上げる
このような用語の使い方をします。リーチとフリークエンシーの違いを理解できましたか?
フリークエンシーとはなにかが理解できたものの「ユーザ1人に対して、より多くの広告を表示させれば効果的なのでは?」⇒「フリークエンシーをなるべく高く設定すればいいのでは?」
と思う方もいるかもしれません。
Web広告では一概に「広告を多く表示させればいい」と言い切れません。その理由を次の章で説明します。
フリークエンシーは高く設定すれば効果的?
少しだけ、考えてみましょう。
自身が見ているWebページ上に、同じ広告が何度も表示されると、ユーザはどう感じるでしょうか?
何度も表示されて「その広告が気になってクリックした!」というユーザもいれば、「その広告やブランドに対する印象が悪くなった!」というユーザもいるかもしれません。
広告表示過多によるデメリットは主に2つあります。
- そのWeb広告自体への印象が悪くなる可能性がある
- インプレッション課金の場合、見込のないユーザ(クリックをしない・コンバージョンをしない)に配信を続けてしまうことで出稿コストがかかる
ただし、表示をさせなさすぎても、見込みのあるユーザ(クリックをする・コンバージョンをする)を取りこぼしてしまう可能性もあり得ます。
それでは、最適なフリークエンシーとは一体何回なのか・・・?
それは、広告主の業種や商材、広告の訴求内容やアカウント構成によってそれぞれ変わってきます。
アカウントごとに最適なフリークエンシー回数を導き出すにはどうすればいいのでしょうか。
それにはまず、フリークエンシー回数の設定できるWeb広告を実施して、なおかつ、運用結果の見えるパフォーマンスレポートを抽出できることです。
それでは、最適なフリークエンシー回数はどう見極めていけばいいのか?を次の章で説明します。
最適なフリークエンシーは何回?事例を交えて紹介!
フリークエンシーの設定方法は各媒体によって異なりますが、ここではあるDSPを実際に運用し、最適なフリークエンシーを抽出した事例を紹介します。
事例1
- 業界:人材
- ターゲティング:リターゲティング
- コンバージョン地点:会員登録
- コスト・期間:非開示
図1
※数字はプライバシー保護のため、詳細数字にはせずに記載しています。
図1を確認してみましょう。
フリークエンシーと、CPAの推移を表しています。
17回以上のフリークエンシーからコンバージョン件数の減少、CPAの高騰が見受けられます。
この場合、17回以上広告が配信されないように設定をすると、CV数は減ってしまいますが、コスト削減ができるためCPAが約33%改善できる計算になります。
このようにコンバージョンの件数とCPAの推移をレポートで抽出することによって、無駄なコストを生み出してしまっているフリークエンシーを算出できます。
別の案件も見てみましょう。
事例2
- 業界:小売り
- ターゲティング:リターゲティング
- コンバージョン地点:来店予約
- コスト・期間:非開示
図2
※数字はプライバシー保護のため、詳細数字にはせずに記載しています。
図2を確認すると、257回以降のフリークエンシーではコンバージョンが獲れていません。
この案件もコストは記載していませんが、257回以降のフリークエンシーを除外設定することによって、CPAが約半分になる計算です。
このように、フリークエンシーの効果をレポートでチェックし、フリークエンシーの設定変更を加えることによって、より運用効果を高めることも可能です。
フリークエンシーの設定ができ、その運用結果レポートを見ることのできるWeb広告運用者にとって、最適なフリークエンシーは何回なのか模索してみることが重要と言えます。
※複数のDSPを実施している場合の運用方法※
第3者配信といって、複数DSPをまたがって一括配信・管理ができる方法があります。
<特長>
(1)複数DSPの配信数値や設定内容を横断的に把握ができる
(2)複数DSPをまたがっていながらフリークエンシーの一括管理ができる
(2)ですが、ユニークユーザ単位でのフリークエンシーの設定はできません。
広告画像サイズごとでのフリークエンシー設定のみが可能になるので、ユニークユーザ単位でフリークエンシー設定ができない、という観点で不完全となります。
よって、ユニークユーザ単位での最適なフリークエンシー設定をしたい場合は、各DSPごとにフリークエンシーの配信結果をレポーティングし、効果が見られないフリークエンシーの配信を徐々に削っていきましょう。
弊社ではその運用の流れを基本的に、おすすめしています。
さいごに
3章に示した事例はあくまでも、例です。
業界やプロモーション内容・広告訴求内容によって、最適なフリークエンシーというのは異なります。
また、出稿時期や出稿期間でも異なるでしょう。
最適な値を見出すためには、常日頃の運用の中で継続的にレポーティングと分析をしていくことが必要です。
是非、フリークエンシー効果の変化を捉えて実際の運用に活用していってください。