2014年より、海外で大手企業がInstagram(インスタグラム)広告を利用しはじめ、2015年からは、日本国内でもInstagram(インスタグラム)広告をはじめる企業が増えてきています。
本記事では今、流れに乗っているInstagram(インスタグラム)の市場や広告の仕様と運用実績も併せて紹介します。
目次
企業にも注目が集まるInstagram(インスタグラム)
最近では、Instagramアカウントを開設している日本企業が1万社を突破したことが調査で明らかになりました。
1年ごとの推移では、下図の通り、非常に早いペースでアカウント開設企業数が増加していることがわかります。
参照元:「Instagramの国内企業アカウント開設が1万社を突破!企業のインスタ活用進む。ユーザーローカルが調査」
http://www.userlocal.jp/news/201601221/
この伸び続ける企業アカウンントの数値は、Instagram(インスタグラム)を使用することによって、「企業のイメージが良くなる」「今後の社のサービス展開につながる」という企業側のイメージ戦略・広告戦略への展望の表れといっていいかもしれません。
国内の大企業も続々とInstagram(インスタグラム)広告を出稿
すでに国内の、様々な企業が積極的にInstagram(インスタグラム)広告を利用しています。
ここでは、Instagram(インスタグラム)広告事例を紹介します
■HIS
■サッポロ
■メルカリ
上の3つの画像は国内での事例ですが、海外の事例では、自動車大手のダイムラー社のメルセデス・ベンツUSAが「GLA」という名のコンパクトSUVに関して、2014年後半にInstagram(インスタグラム)とFacebookを連動した広告を展開したところ、自社サイトへのアクセスが580%増になったとの事例もあります。
データ参照元:
http://blog.business.instagram.com/post/98901450706/mercedes-benz-usa-turns-to-Facebook-and-instagram
リサーチ大手もInstagram(インスタグラム)広告効果の可能性の大きさを把握
また、リサーチ大手のeMarketer社が7月に行ったリサーチによれば、Instagramの世界全体におけるモバイル広告売上は2015年に6億ドル弱、2017年には28億ドルに達すると報告されています。
データ参照元:
http://www.emarketer.com/article.aspx?R=1012774&RewroteTitle=1
これらのデータの通り、現在Instagram(インスタグラム)広告は非常に注目されていて旬なものであるということがわかるかと思います。
Instagram(インスタグラム)広告の特長
この章ではInstagram(インスタグラム)広告における大きな特長を2点、紹介します。
1,世界観
Instagram(インスタグラム)というメディアは、何よりもその世界観のユニークさから、他メディアとの差別化ができています。
その世界観とは、写真や動画の「美しさ」や「スタイリッシュさ」にあるといえます。
下の図は過去のInstagram(インスタグラム)広告の一例です。
ブランディングをメインとした広告になりますが、「広告を見ている」とは思わないのではないでしょうか。
これらの例のように、メディアの世界観に沿った画像や動画でユーザにアプローチすると、Instagram(インスタグラム)ユーザの目に馴染み、違和感のない広告として受け入れられるかもしれません。
どの業界の企業でも、Instagram(インスタグラム)の世界観に合わせた画像を作成することは可能かと思います。
特にアパレルや車、コスメ・美容関連の企業に関しては、「美しさ」「スタイリッシュさ」がビジネスの基盤の一部といえますので、Instagramとの相性もよいといえるのではないでしょうか。
2,ターゲティング
2点目の特長は「正確なターゲティングが可能であること」です。
広告主は狙いたいInstagram(インスタグラム)ユーザ層に広告を配信することができます。
例えば、「20代の女性」で「コスメに興味のある」ユーザに広告を出す。
このようなこともInstagram(インスタグラム)広告では可能です。
しかし、Instagram(インスタグラム)広告では、そもそもユーザが年齢や性別など、自身の属性を登録する必要がありません。
では、なぜ上の例に出したようなターゲティングが可能になるのでしょうか。
実は、そのターゲティングのデータの基になるのは、「Facebookのデータ」なのです。
Facebookは実名制で、年齢なども大方正確なデータとなっています。
Instagram(インスタグラム)はFacebookの傘下のメディアです。よって、Facebookのデータを使用して配信することが可能となっています。
<主なターゲティング事項>
・地域
・年齢
・性別
・ステータス(例:未婚・既婚・恋人ありなど)
・興味関心(例:ゲーム、スポーツ、旅行など)
主な広告タイプは3種類
セルフサーブ(運用型)広告ですが、2016年2月現在、下の3種類の広告タイプが利用可能です。
1、ウェブサイトへの誘導
Instagram(インスタグラム)のCTA(CallToAction)ボタンから外部のウェブサイトへ誘導するタイプの広告です。
※CTA(CallToAction)ボタン…広告を見たユーザにとってもらいたい行動を誘導するボタンを指します。
上の画像の例では、画像右下の青枠のボタンです。
設置可能なCTAボタンは「予約する」、「お問い合わせ」、「ダウンロードする」、「詳しくはこちら」、「購入する」、「登録する」、「他の動画を視聴」の7種類です。
なお、画像内に文字を入れたい場合、その文字部分の面積が全体の20%を超えてはいけないというルールがあります。
2.アプリのインストール誘導
CTAボタンは、「インストールする」、「アプリを利用する」、「予約する」、「ダウンロードする」、「詳しくはこちら」、「音楽を聴く」、「ゲームをプレイ」、「購入する」、「登録する」、「他の動画を視聴」、「動画を見る」の11種類です。
ゲームやアプリのインストールを促す企業広告も今後非常に増えてくる可能性が高いでしょう。
3、動画再生
動画再生を目的としたフォーマットです。
CTAボタンは、「1、ウェブサイトへの誘導」と同様の7種類となります。動画の長さは2.5秒から30秒までとなっています。
Instagram(インスタグラム)広告の運用実績
ここでは、目的としたセルフサーブ(運用型)のInstagram広告の運用実績について紹介します。
・業界:教育
・目的:資料請求
・期間:約1ヵ月
・1件あたりのコスト目標:¥6,000
掲載媒体 | 資料請求件数 | 1件当たりのコスト |
16 | ¥3,817 | |
110 | ¥4,879 |
Facebookと比較するとユーザ数がInstagram(インスタグラム)では少ないため、広告の表示回数などは実績上少ないです。
(表示回数やターゲットなどの情報は非公表とします)
資料請求件数のボリュームはFacebookには劣るものの、1件あたりのコストは安く、成功した例です。
この運用実績のように、Instagram(インスタグラム)でも効率的にサービスの申し込みや資料請求の件数が獲得できるということがわかります。
最後に
Instagram(インスタグラム)広告はこれまで外部サイトなどへ誘導ができなかったことから、ビジネス的にはあまり活用しなかった部分も多くありました。
しかし、外部サイトへ誘導ができるようになり、また様々なフォーマットの導入が進んだことで、Instagram(インスタグラム)広告の活用は、今後さらに大きく広がると予想されています。
期待が高まるInstagram(インスタグラム)広告ですが、広告出稿の増加は、「写真画像の美しさ」というInstagram(インスタグラム)が本来持つメディアとしての特長・価値を下げてしまわないか?業界内では注視されています。
Instagram(インスタグラム)広告を実施したい広告主は、そのメディアの特長を十分に理解した上で、広告運用に取り組むことが成功への1番の近道になるといえるでしょう。