KARTEの「行動チェーン」を利用したユーザー分析|ウェブ部

KARTEの「行動チェーン」を利用したユーザー分析

KARTE

1.行動チェーンとは何か

行動チェーンとは

行動チェーンは、株式会社プレイドが提供するKARTEの機能の1つです。GA4の探索レポートのファネル分析に似た機能で、ステップやコンバージョンポイント(KARTEでは「ゴール」と呼びます)を任意に設定し、ユーザー行動を可視化できます。

GA4のファネル分析と大きく異なる点は、抽出した結果から各ステップのユーザーを1人ずつ見ていく分析(N1分析)が可能であることです。
ステップに到達した人/到達しなかった人、到達してコンバージョンした人/しなかった人などを細かく確認できるため、各グループのユーザーを比較しながらN1分析につなげることができます。

KARTEのどこから作成できる?

「行動チェーン」は、KARTE Webを契約していれば利用可能な機能です。
KARTE Insightのメニュー内に「行動チェーン」という項目があるので、そちらを選択すると作成が可能です。

*注: 2024年12月現在、β版の機能ですので予告なく仕様の変更などが発生する可能性があります。

2.行動チェーンの作成方法

作成手順の紹介

行動チェーンを新規作成すると以下のような画面になります。集計期間、各ステップの条件、ゴールを設定して作成していきます。データは過去3ヶ月の中から、最大1ヶ月分の範囲を選択して利用できます。

ステップは5つまで設定が可能です。閲覧イベントを使用して指定するのがシンプルですが、KARTEで取得しているイベントから設定することも可能です。
「会員登録」、「購入」「お気に入り登録」など、分析したい内容に応じて設定できます。
「KARTEの接客が表示された」といったイベント設定もできるので、施策の評価を行うことも可能です。さらに、イベントだけでなくディメンションを使用することも可能です。ディメンションは来訪回数やユーザーが利用しているOSなどを判別したものです。イベントやセグメント、ディメンションをかけ合わせていくことでユーザーの属性を細かく分析できます。

「購入が発生した人」かつ「来訪回数1回目の人」といったような設定ができるので、ユーザーを細かく抽出して分析が可能です。

 

ゴール設定も基本的にはステップと同様です。閲覧イベントを設定することもできますし、別のイベントを設定することも可能です。この分析で最終的にCVポイントにしたいユーザーの行動をゴールに設定してください。

作成手順の紹介

下記のキャプチャでは以下の条件で設定をしました。

  • 集計期間:4週間
  • ステップA:来訪1回目 ステップB:来訪2回以上
  • ゴール:お問い合わせページに到達

ステップAが分析の母数となります。17,130人の人が該当しているのがわかります。
ステップBを見ますと、到達した人が1,453人、未到達の人が15,675人であることがわかります。ステップBは来訪回数が2回以上の人なので、期間中1回のみ来訪だったのか、2回以上来訪したのかの割合がわかります。

注目すべきは「到達してゴール」「未到達でゴール」の項目です。
ここでステップに到達した人と未到達の人の比較ができます。

今回はステップB到達者のほうがゴール率が高いことがわかります。つまり、一度のみの来訪で問い合わせをした人よりも、再来訪した人のほうが問い合わせをする割合が高いということです。

このように、ゴールに設定した指標に対しそれぞれのステップに到達した人、していない人のゴール率(=CVR)を把握できます。
ステップ内のどこでユーザーが離脱しているのか、各ステップでのゴール率がどの程度かを明確に可視化できるため、ユーザー行動の全体把握に非常に便利なツールです。

 

3.N1分析に繋がる

各ステップの到達、未到達ユーザーの数やゴール率だけでなく、各ステップのユーザーを1人ずつ見ることが可能なのが行動チェーンの利点です。

ユーザー数を表すバーをクリックすると、そのバーに属するユーザーが表示されます。さらにそこから各ユーザーがどのような行動をしていたか、詳細を見ることが可能です。ゴールしたユーザーがどのような動きをしていたかを知ることができる一方で、ゴールしなかったユーザーがどこでつまずいて離脱してしまったかを確認できるため、サイトの課題を見つけるヒントとなります。

*KARTEを利用したN1分析の詳細は、また別の記事で詳しくご紹介できればと思います。

 最後までご覧いただきありがとうございました!

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