目次
N1分析の概要と実施するメリット
N1分析とは
N1分析とは特定の顧客1人をピックアップし、分析をする手法のことです。
ユーザーをいくつかのセグメントに分けてセグメントごとにアクセス数やCV数、CVRを見たり、ペルソナ設定をするのではなく、実在する1人を分析します。
インタビューを行う場合もありますが、今回の記事ではKARTEを利用したユーザー1人の行動分析を「N1分析」として取り上げます。
N1分析を行うメリット
ユーザーの細かな動きを把握できるのがN1分析の特徴であり、メリットです。
アクセスしているページやディレクトリ、ファネル分析 などでも大まかなユーザーの動きは把握できますが、実際にどのようにサイト内を動いているかの詳細まではわかりません。
N1分析では1ページ1ページ、どこから来てどこのページに行くのかを確認できます。また、設定や利用するツールによってはページ内のどのエリアを何秒見ていて、どこをクリックしたのかまでも把握できます。
こういった細かな行動を把握していくことで、思わぬ動きをして離脱しているユーザーを発見したり、逆にサイト来訪からCVまでスムーズに動いているユーザーを確認したりできます。
そういった発見を通して、サイト内の導線やフォームの改善案を作成することができます。
N1分析を可能にするKARTEの機能
分析手順の紹介
ランダムにユーザーを1人選び分析を行うだけなら、KARTEのユーザーリストから1人を選べばよいですが、完全ランダムだと1ページしか見ていないユーザーの場合などもあり、あまり意味のある分析になりません。
おすすめの方法としては「行動チェーン」や「ユーザー構成比」といった機能である程度ユーザーを絞りこむことです。
行動チェーンであれば、ファネル分析のように絞り込んだあとに、各ユーザー群の中から特定の1人を絞ることができます。
また、ユーザー構成比を利用すればKARTEで計測している様々なデータをかけ合わせてユーザーを絞り込むことができます。
行動チェーン
ユーザーの行動を最大5ステップ+ゴールで設定して、各ステップに到達したユーザー/しなかったユーザーを確認できる機能。
*詳しくはこちらの記事をご覧ください。
ユーザー構成比
KARTEでイベントによって取得しているデータを使用してダッシュボードを作成できる機能です。
ユーザーの流入元や購入回数、来訪回数、購入金額など様々な指標を掛け合わさえて、ユーザーボリュームを確認することができます。
ここで絞り込んだ結果からもユーザー1人ひとりを確認し、それぞれのストーリーを見ていくことができます。
こういった機能で絞り込んだあとに、実際のユーザー1人ひとりの「ユーザーストーリー」を見ていきます。
ユーザーストーリー
KARTEで計測したユーザーがどんな動きをしていたのか、1人ずつ細かく確認ができる機能です。
先ほどの「行動チェーン」や「ユーザー構成比」からも絞り込めますし、KARTEにアクセスして最初に表示される「ユーザーリスト」から検索して確認することもできます。
ユーザーストーリーでは本当に1ページずつ、ユーザーがどこから来てどのページを見ていてどこに行ったのか、滞在時間がどれくらいなのか、を見ていくことができます。
この機能を利用してN1分析をしていきます。
N1分析のまとめ方
EXCELによるリスト化
ある程度絞り込んだユーザー群の中から5~10人程度のユーザーストーリーを見ていき、それぞれの特長を確認。
なお、KARTEのイベント詳細データからイベント発生時点でのディメンション(来訪回数や購入回数データ)を確認できるので、それらも含めてリストにするとユーザーの解像度があがります。
また、分析したいユーザー群に対してその逆のユーザー群も同様に見ていきます。
例えば「会員登録から購入に至ったユーザー」を見ていく場合、購入完了したユーザーだけでなく「会員登録をしたのに購入しなかったユーザー」も見ていく、といった形です。
相反するユーザー群を比較することで「なぜその行動に至ったのか、もしくは至らなかったのか」を考察していくことができます。
特徴的なユーザーを発見してアーカイブ
リスト化したユーザーから特徴的なユーザーを発見し、情報を整理してまとめていきます。
特徴的なユーザーを発見するにあたっては、下記のどちらかを意識すると見つけやすいかと思います。
・理想的な動きをしているユーザー
⇒例えば、サイト来訪から購入をスムーズに完了している、など他のユーザーのお手本にできそうなユーザーです。こういったユーザーがどういう動きをしているかを把握することで「このユーザーに近づけるにはどうしたら良いか?」という視点が生まれます。
・想定外の動きをしているユーザー
⇒思わぬタイミングで離脱をしているユーザーや、同じページを行き来しているユーザーなど、不可解な動きをしているユーザーがいた場合、サイト内の導線になんからの問題がある可能性があり、サイト改善への大きなヒントとなります。
このような形でまとめたデータから、サイトの課題やユーザーのインサイトを把握していくことができます。
一度完了して終わりではなく、施策実行後に変化があったかを改めて確認するなど、繰り返し実行していくことでユーザーの解像度がどんどん高くなります。
ぜひN1分析を実施して、リアルなユーザーの動きを把握してみてください。きっとそこから見えてくる課題があると思います。