【広告主向け】Web広告代理店コンペの開き方|流れから提案依頼書(RFP)の書き方までをご紹介|ウェブ部

【広告主向け】Web広告代理店コンペの開き方|流れから提案依頼書(RFP)の書き方までをご紹介

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Web広告代理店コンペの開き方・RFPの書き方

【広告主向け】web広告代理店コンペの開き方|流れから提案依頼書(RFP)の書き方までをご紹介

Web広告は、マーケティングに欠かせない手段の1つと言えますが、Web広告の種類の豊富さや複雑性から、一企業内で広告運用を完結させることは非常に難しく、プランニングから広告運用までを広告代理店に依頼している企業が多いです。

自社に合った広告代理店を選ぶ手段として、広告代理店のコンペティション(以下、コンペ)が挙げられます。

本記事では、Web広告を依頼する広告代理店のコンペを開催したい広告主に向けて、コンペ開催の流れ、提案依頼の際に必要なRequest for Proposal(以下、提案依頼書)の書き方、コンペ開催時の注意点までを紹介します。

コンペを開催したことがないため、開催方法を知りたい方や、コンペで自社に合う広告代理店を見極める方法が知りたい方に向けた内容ですので、広告代理店選びで後悔しないように、ぜひ、最後までご覧ください。

 

広告代理店コンペとは

広告代理店コンペとは、複数の広告代理店に、同じ与件で広告の提案を依頼することで、各広告代理店の提案内容を比較して、より自社に合った発注先を見極める機会になります。

Web広告は、テレビCMや交通広告のような従来の広告に比べて、販売促進と親和性が高いことから、一時的な配信ではなく、継続的に配信していることが多いでしょう。そのため、必然的広告代理店との取引も、一定期間以上の継続取引であることが一般的です。

長期的に伴走していく広告代理店選びで失敗しないためにも、自社のプロジェクトの目的を伝え、複数の広告代理店の提案内容を同時に比較できるコンペは、非常に有効性が高い手段です。

ここからは、広告代理店のコンペを実際に開催していく流れについて、紹介します。

 

広告代理店コンペの開催の流れ

Web広告を依頼する広告代理店コンペを成功させるためには、適切なスケジューリングと準備が不可欠です。

コンペ開催の決定から新しい広告代理店との取引を開始するまでには、約4ヵ月の期間を設けることが望ましく、最低でも約3ヵ月は確保したいところです。

ここでは、広告代理店コンペの開催の流れについて詳しく解説します。

 

ステップ1 コンペスケジュール作成

一般的なコンペのスケジュールは、次のとおりです。

  • 自社内のコンペ準備期間:1ヵ月
  • 参加企業のオリエンテーションから提案までの期間:1ヵ月
  • 検討から決定までの期間:2週間
  • 決定から新たな広告代理店への切り替えまでの期間:1ヵ月程度

 

ただし、このスケジュールはあくまで目安であり、自社の状況に合わせて現実的なスケジュールを立てる必要があります。

また、コンペのオリエンテーションからプレゼンまでの期間が短すぎる場合、広告代理店の準備が十分にできず質の良いプレゼンではなくなります。結果として、適切な広告代理店の選定ができないリスクが高まりますので、その点も考慮したスケジュールを立てましょう。

 

ステップ2 開示情報の整理と提案依頼書の作成

コンペを開催する際は、参加企業に対して提案依頼書という形で、プロジェクトの目的、現在の状況、期待する成果などの必要な情報をまとめて、広告代理店にコンペへの打診と提案の依頼をします。

記載する自社の基本的な情報やプロジェクトについて整理を行うことはもちろん、すでにほかの広告代理店と取引がある場合は、トラブルにならないように、現在実施している施策の情報をどこまで開示して良いかを確認して、提案依頼書を作成しましょう。

提案依頼書への記載項目や書き方についての説明は、次章の提案依頼書(RFP)の書き方で紹介します。

 

ステップ3 提案内容の評価方法の設定

提案の内容を評価する際には、プレゼンテーションを聞いた後に目的からぶれることがないよう、事前に評価基準を議論し、関係者間で共有しておくことが重要です。

提案に対する評価方法を明確にすることで、コンペ参加企業にも公平性を示すことができ、より質の高い提案を引き出せる可能性が高まります。

 

ステップ4 広告代理店の選定・依頼

コンペに参加してもらう広告代理店の選定は、プロジェクトの成否を左右する重要なステップです。

一般的に、コンペ参加を依頼する広告代理店の数は3〜5社が平均的で、このくらいの数であれば十分な比較検討が可能で、管理や評価にかかる時間と労力を適度に抑えられます。

一方で、コンペに参加する広告代理店数が多すぎる場合、依頼や提案内容の精査に多くの時間と工数がかかってしまうため、プロジェクトの目的に合わせて事前に候補を絞っておくのが望ましいです。

広告代理店の候補を絞る際は、各広告代理店の強み、過去の実績、対応可能な広告媒体などを考慮し、自社のニーズに最も適した広告代理店を選びましょう。

 

ステップ5 オリエンテーションの実施

オリエンテーションは、直接プロジェクトについて説明することで、コンペに参加する広告代理店に理解を深めてもらう重要な機会です。

プロジェクトを行う背景や期待している成果、具体的な数値目標など、詳細な情報を提供しましょう。

また、オリエンテーションでは、コンペに参加する広告代理店からの質疑応答の時間を設けることで、各広告代理店の理解度や積極性を確認することができます。

オリエンテーションを効果的に活用することで、より質の高い提案を引き出すことができます。

 

ステップ6 広告代理店からの提案(プレゼンテーション)

広告代理店からの提案(プレゼンテーション)を通じて、広告代理店の自社への理解度やプランニング力、実行力などを評価することができます。

提案を聞く際は、提案内容が自社の目的や商品・サービスのターゲットに合致しているか、を慎重に判断することが重要です。

また、提案内容が机上の空論ではなく、実現性のある内容であるか、を確認するためにシミュレーションの数字の根拠や、想定スケジュールを確認するようにしましょう。

提案時に各広告代理店の特長や強みを十分に理解することで、最適な選択につなげることができます。

 

ステップ7 最終選考と決定

コンペに参加する、すべての広告代理店の提案が出揃ったら、最終的に取引をする広告代理店を決定します。

基本的には、事前に設定した項目を基に評価しますが、事前に想定していなかった課題が可視化されることもあるため、評価項目の点数だけで機械的に判断するのではなく、本当にプロジェクトの目標が達成されるか、提案に納得できるか、を確認しましょう。

 

次章では、コンペを開催するにあたって、欠かせない提案依頼書の書き方を紹介します。

 

提案依頼書(RFP)の書き方

提案依頼書の具体的な項目と書き方について説明します。

提案依頼書には、自社の「前提情報」と「今回提案してもらいたい内容」の2点について記載する必要があります。

 

前提情報

Web広告について適切な提案をもらうためには、自社のマーケティング活動全体について理解してもらう必要があります。

そのためには、3Cといわれる自社、競合、市場・顧客についての情報と、企業として何に課題を感じているのかを伝えましょう。前提情報を広告代理店が関わる範囲に限定してしまうと、Web広告の中で可視化されている課題の解決にしかならず、自社の全体のマーケティング活動と連動しない、といったことにつながるため注意が必要です。

前提情報の具体的な項目は、次のとおりです。

  • サービス概要
  • 市場
  • 自社の状況
  • 競合企業
  • 現状と課題

 

今回提案してもらいたい内容

続いて、今回提案してもらいたいWeb広告の領域について整理します。

予算、目標などの明確になっている条件、注力したい領域、優先順位など、具体的な要望があれば、必ず記載しましょう。

施策の内容以外は、見積もり、契約期間といった取引の条件面や、月次スケジュール、運用体制といった日々のコミュニケーション面については、必須記載項目として伝えるようにしましょう。

  • 提案スコープ
  • 予算
  • 目標/KPI
  • 提出形式と提出期限
  • 必須記載項目
    シミュレーション、見積もり、運用体制、月次スケジュール、契約期間、など

 

 

コンペ開催時の注意点

広告代理店のコンペを開催する際は、いくつかの注意点に留意することで、より効果的なコンペが実施でき、自社に最適な広告代理店を選定することができます。

ここでは、コンペ開催時の注意点について詳しく解説します。

 

情報開示

広告代理店コンペを成功させるためには、必要十分な情報開示が不可欠です。

開示する情報量が不足していると、コンペに参加する広告代理店から質の高い提案を得られず、せっかくコンペを開催しても、適切な判断ができません。

現在の広告の実施状況を事前に整理し、準備しておくことが重要です。

一般的に提供するべき情報は、各広告媒体のアカウント構成、過去半年から1年分の各媒体のレポート、使用しているクリエイティブなどが挙げられます。

そのため、広告アカウントの閲覧権限の付与、またはレポートを、共有できるように準備と確認をしておきましょう。

これらの情報を提供することで、コンペに参加する広告代理店は、Web広告の施策の効果状況を正確に把握し、今後につながる提案を行うことができます。

ただし、機密情報の取り扱いには十分に注意を払い、秘密保持契約を結ぶなどの対策を講じましょう。

 

評価基準を明確にしておく

広告代理店のコンペでは、事前に明確な評価基準を設けておくことで、コンペ開催の目的からぶれずに、良い判断ができるでしょう。

また、評価基準を事前に設定し、関係者間で共有しておくことで、公平で効果的な判断が可能になります。

一般的に評価基準は、価格や体制、クリエイティブの質、提案の独自性、シミュレーション(妥当性や目指せる数字)などが挙げられます。

これらの要素をバランスよく考慮し、自社のニーズに最も適した基準を設定しましょう。

 

現実的なスケジュールを引く

広告代理店のコンペを開催する前に、現実的なスケジュールを設定することが重要です。

無理なスケジュールを組んでしまうと、提案内容のずれや質が低下してしまい、せっかく時間と工数をかけて開催しても、適切な判断を下せないリスクが高まります。

十分な準備期間を設けることで、コンペに参加する広告代理店は、適切な提案を行うことができ、自社側も提案内容を十分に検討し、最適な選択を行うための時間を確保でき、広告代理店選びを失敗するリスクを低減できます。

 

フィードバックの提供

コンペ終了後は、コンペに参加した広告代理店へのフィードバックを行うようにしましょう。

フィードバックは、具体的な内容を提供し、各広告代理店の提案内容や改善の余地について明確に伝えましょう。

このような丁寧な対応は、業界内での自社の評判の向上につながり、質の高い広告代理店との関係の構築にも役立ちます。

万が一、最終決定した広告代理店との取引がうまくいかなかった場合や、次にコンペを開催することを見越して、今回選定しなかった広告代理店に対してもフィードバックを提供することで、良好な関係を築いておくことが望ましいです。

 

広告代理店選びで失敗しないためのポイント

広告代理店を選定する際は、いくつかのポイントに注意を払うことで、より適切な広告代理店選びが可能になり、長期的な成功につながります。

ここでは、広告代理店選びで失敗しないためのポイントについて詳しく解説します。

 

担当者と体制の確認

広告代理店を選ぶ際の、担当者と体制の確認は非常に重要です。

コンペ時の担当者と実際のプロジェクト実行者が異なるケースもあるため、実際に依頼した場合の担当者や運用体制、コミュニケーション方法について確認しておきましょう。

確認する内容としては、プロジェクトを担当するチームの構成、各メンバーの経験や専門性、連絡体制などが挙げられます。

また、緊急時の対応方法や定期的なミーティングの頻度なども事前に確認しておくと良いでしょう。

これらの情報を得ることで、広告代理店との円滑な協働が可能になり、プロジェクトの成功の確率が高まります。

 

提案内容の実現性の有無

広告代理店選びで失敗しないためには、提案内容の実現性を見極めることが重要です。

提案内容や、シミュレーションの数字が魅力的でも、実際には数字に達しないようでは意味がありません。現在の実績と比較し、各広告代理店がどのように数字を算出しているか、をしっかり確認して、提案された内容が現実的か、を慎重に検討する必要があります。

そのほかにも、目標が達成されるのか、達成までの期間が妥当であるか、も忘れずに確認しましょう。

 

値引き率を最優先にしない

広告代理店を選ぶ際は、値引き率を最優先にすることは、避けるのが望ましいです。

近年、多くの広告代理店が売上よりも利益を重視する傾向にあります。そのため、大きな予算案件であっても、値引きによって利益が少なくなる場合は、スキルのある営業担当や運用担当を長期的に配置することが難しくなる可能性があります。

限られた広告予算の中で効果を出すにあたって、値引きは魅力的に映ります。しかし、過度の値引きは、自社に対するリソースの減少につながってしまう可能性もあるため、慎重に検討しましょう。

 

まとめ

今回は、広告代理店のコンペを開催する企業向けに、コンペの流れと提案依頼書の書き方を紹介しました。

時間や工数をかけてまでコンペを実施する目的は、あくまでも、自社のマーケティングを成功させて、自社の売上などの目標を達成することです。自社に適した広告代理店を見極めるためにも、しっかりと準備をして挑むようにしましょう。

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