P-MAXキャンペーンは、Google広告の配信メニューの1つで、パフォーマンスの最大化を目指して、Google AIがクリエイティブ、ターゲティング、配信面などを自動で最適化してくれるメニューです。
Googleの優秀なAIによって高い成果が期待できることが特徴のメニューですが、AIの学習が安定するまでに時間がかかることや、人の手で効果改善できることが少ないという課題もあります。
今回ご紹介する検索テーマは、その課題を解決するための機能となりますので、P-MAXをより効果的に活用したい方はぜひ最後までご覧ください。
また、P-MAXの概要やメリット・デメリット、設定方法については下記記事で解説しています。P-MAXの基本から知りたい方はこちらを確認ください。
関連記事:【2024年最新】P-MAXキャンペーンとは?メリット・デメリット、 設定方法や運用のコツを紹介!
目次
検索テーマとは?
検索テーマとは、P-MAXの機械学習を促進するため、任意のキーワードを設定できる機能です。P-MAXでは、検索広告やディスプレイ広告のように人の手でターゲティングができない仕様ですが、検索テーマを活用することで、人の知見を機械学習に反映させることが可能になります。
検索テーマの設定方法
なお、検索テーマはアセットグループのシグナルから設定が可能で、1つのアセットグループあたり最大で25個まで設定可能です。
検索テーマを設定するメリットは?
検索テーマを設定するメリットは2つあります。
人の知見を機械学習に反映することができる
前述の通り、検索テーマでは手動で任意のキーワードを設定できるため、完全なAI任せではなく人の知見を機械学習に活かすことができます。
P-MAXは、アセット、ランディングページ、フィードと過去の配信結果のデータを活用して配信を最適化し、それらに含まれていない情報は機械学習に加味しません。検索テーマを活用することで、上記のデータソースでは足りない情報を補うことができ、P-MAXの効果改善が期待できます。
機械学習の期間を短縮できる
P-MAXでは成果が安定するまで約6週間ほど学習期間が必要とされています。
学習期間は情報のインプットのために、配信対象が広がる仕様のため、成果が安定しづらいというリスクがあります。P-MAXの費用対効果を高めるためには、この学習期間を短縮させることが重要です。
検索テーマを活用することで、効果が見込める情報を機械学習に与えることができ、配信初期フェーズの学習期間の短縮が期待できます。
参照:すべての業種向けの P-MAX キャンペーンの最適化のヒント( Google広告 ヘルプ)
どのような場面で設定すべきか
検索テーマは以下の場面での活用がおすすめです。
新しくP-MAXを開始するとき
検索テーマを設定することで、配信初期フェーズの学習期間の短縮が期待できます。特に、新しくP-MAXを開始する際は、学習データが溜まっていないため、検索テーマの設定が効果的です。
これまでP-MAXを使用したことがない場合はもちろん、これまで配信しているP-MAXとは別に、新しくキャンペーンを立ち上げて新しい訴求を開始する際にも有効です。
新サービスのプロモーションを開始するときや、これまでと異なるターゲットに対して新しい訴求を配信する場合は、検索テーマを活用し機械学習を促進しましょう。
配信中のP-MAXの効果を改善したいとき
新しく作成したP-MAX以外にも、現在配信していて学習も安定しているP-MAXに、検索テーマを設定することで効果改善が期待できます。
既にP-MAXの配信が安定している場合は、無理に設定する必要はありませんが、機械学習のシグナルが増えることで精度の向上が期待できるため、効果改善策の1つとして検討してみるのも良いでしょう。
キーワードの選び方
検索テーマは、任意のキーワードを設定できるからこそ、どのようなキーワードを設定するかが結果を大きく左右します。
検索テーマに設定したキーワードについて、興味があるユーザに配信が最適化されやすいため、基本的には検索広告で効果が良いキーワードを選定するのが良いでしょう。
既に検索広告を配信している場合は、キーワードレポートを確認して効果が良いキーワードを中心に登録します。
検索広告を配信していない場合は、キーワードプランナーなどキーワードの調査ツールを活用し、プロモーションと親和性が高いキーワードを選定します。
この際、検索ボリュームの少ないキーワードのみを選んでしまうと、配信対象が絞られてしまう恐れがあるため注意が必要です。実際の配信結果をもとに機械学習で最適化されていくため、なるべく検索ボリュームが多いキーワードも含めておきましょう。
検索広告とのオークションの優先度について
検索テーマを設定すると、設定したキーワードに関連する検索の検索結果画面に広告が配信されます。そのため、既に検索広告を配信している場合は、配信対象が重複することになり、オークションで競合してしまわないかと懸念される方もいると思います。
しかし、Google広告によると、検索テーマはオークションでの競合はないとされています。
また、オークションに参加するキーワードは以下のように優先度が定められています。
1,検索語句と同一の完全一致キーワード
2,検索語句と同一のフレーズ一致キーワードとインテント マッチ キーワードまたは検索テーマ
3,関連性:AI(人工知能)に基づくキーワードの優先順位付け
4,広告ランク
参照:Google 広告アカウントでのキーワードと検索テーマの優先順位付けについて(Google広告ヘルプ)
検索テーマは、部分一致、フレーズ一致と同じ優先度の2番目に位置しているため、完全一致で登録していないキーワードについては、検索テーマが優先して配信される可能性があります。通常の検索広告の配信にも影響が生じる可能性があることを念頭に置いた上で、キーワードの設定を考え、広告の効果を分析するようにしましょう。
検索テーマ設定事例
実際に検索テーマを設定することで、どの程度広告の効果に影響があるのか、事例をご紹介します。
- 業界
フィットネス
- 課題
これまでP-MAXを配信したことがない広告主で、CVを拡大するためにP-MAXの配信を提案しました。検索テーマを設定せずにP-MAXの配信を開始したところ、配信初期フェーズの効果が悪く、配信が縮小してしまった状況でした。
配信を拡大、安定化させるために、検索広告で効果が良いキーワードを中心に検索テーマを設定することを提案しました。
- 結果
検索テーマを設定してから1週間で、設定前と比べてCV数を203%まで拡大させることに成功しました。
まとめ
今回はP-MAXの機械学習を促進する「検索テーマ」について紹介しました。
効果を改善する施策が限られるP-MAXにおいて、検索テーマは重要な機能の1つですので、この記事を参考にぜひ活用してみてください。