ユーザーの閲覧した情報を基にして、自社の数ある商品・サービスの中からそのユーザーに最適化された広告を配信する「ダイナミックリターゲティング」は大規模ECサイトや人材・不動産・旅行メディアなどを中心にそのOne to Oneの特性から広告をクリックしたユーザーの質が非常に高く、費用対効果の高い広告手法として多くの企業に活用されています。
そのような状況もあり、様々な企業が独自の「ダイナミックリターゲティング」商品をリリースし、市場には多くの同種サービスが存在します。広告主から見た場合、配信対象はリターゲティングなので同様、更に広告が配信される面も大半は同様ということもあり、何を基準に「ダイナミックリターゲティング商品」を選定してよいか分からない、というお声をいただくケースも増えています。
本稿では、利用が増えている「ダイナミックリターゲティング」サービスの「RTB House」について、同種サービスの差別化要素のひとつである「配信ロジック」にフォーカスして内容を紹介します。
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1.Deep Learning(深層学習)とは
配信ロジックを語るにあたり、まずはDeep Learning(深層学習)について説明します。
従来AI(人工知能)という大きな枠組みで語られてしまうことが多いDeep Learning(深層学習)ですが、これまでのMachine Leaning(機械学習)とは一線を画す技術です。2017年5月に人類最強と呼ばれていた棋士・柯潔(カ・ケツ)に、グーグル社傘下であるイギリスのディープマインド社が開発した囲碁AI・AlphaGo(アルファ碁)が勝利したことが有名です。
“The game of Go has long been viewed as the most challenging of classic games for artificial intelligence due to its enormous search space and the difficulty of evaluating board positions and moves.”
(引用元:http://airesearch.com/wp-content/uploads/2016/01/deepmind-mastering-go.pdf)
碁は盤面のポジションと動きの評価の難しさから、AI(人工知能)にとってもっとも難しいゲームだとみなされていました。2012年にDeep Learning(深層学習)による画像認識技術によって写真判別が可能になり、2017年には碁を制覇することができました。
Deep Learning(深層学習)という技術は、AI(人工知能)のなかでも現時点で最先端な技術であるといえます。
2.Deep Learning技術を用いた広告配信技術
これまでMachine Leaning(機械学習)を用いた広告配信技術は、国内・海外ともに多くのプレイヤーが存在していました。
この記事で紹介するRTB HouseのDeep Learning(深層学習)アルゴリズムは、従来のものと違いアルゴリズム自体が独自に成長していくモデルとなっています。これまでのMachine Learning(機械学習)ではいわゆる線形分析でユーザー行動をとらえていましたが、コンテンツやデバイス、広告フォーマットが多様化していくに伴い、ユーザー行動も線形分析ではとらえられなくなりました。(下図参照)
Deep Learning(深層学習)の分析では、非線形分析によってユーザー行動をとらえることができます。よってこれまで価値のないと判断されてきたユーザへの価値基準が変わる可能性がでてきました。
もちろん、学習期間は遅い傾向にありますが、学習期間が終了してからの比較では既存媒体よりも満足いただけるケースが多くなりました。
*学習期間は平均として2-3か月程度かかります。
3.既存媒体との併用
すでに多くのリターゲティング広告媒体を併用している広告主から、「リターゲティング広告を追加するメリットは何か?」と質問されることが多くあります。
例えば100万ユニークユーザが毎月訪れるファッションサイトがあり、リターゲティング広告では2つの媒体を使っていたとします。その100万のユーザに対して、既存媒体がしっかりと優劣(ここでは購入してくれるか、という意味)をユーザ単位で判断・配信できているでしょうか?まだまだそこには改善の余地があるのではないかと思われます。
RTB Houseという新しいエンジンを導入することで、1Cookieユーザへの評価や入札のタイミングや価格、クリエイティブの種類が異なります。つまり来訪したユーザへの評価の精度が高まり結果としてコンバージョンが純増する、というケースが多数あります。実際にRTB Houseを追加した広告主企業で、約40%のコンバージョンが純増したという事例があります。
結論として、広告配信技術においても、周辺の技術革新の成長とともに、より最新のアルゴリズムが開発されるようになりました。そのおかげで広告主が最適なユーザに配信ができる精度も高まることにつながっています。
まとめ
RTB HouseならではのDeep Learning(深層学習)技術による新規ユーザの獲得を、CPA/ROASを保証しながら実践できるということで、メニューリリース後多くの広告主企業で活用されています。実施時はサイトの規模や保証単価の設定等が必要ですが、プロモーションの更なる拡大に向けて是非活用を検討いただけますと幸いです。
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【著者情報】
RTB House Japan株式会社
〒141-0031東京都品川区上大崎
2-15-19 MG目黒駅前ビル
https://www.rtbhouse.com/jp/
■お問い合わせ先
contact.jp@rtbhouse.com
RTB Houseは2012年にポーランドで創業された会社です。
CEPらがDeep Learning(深層学習)を元に広告配信のアルゴリズムを開発し、今に至ります。
2012年という年はDeep Learning元年とも呼ばれ、初めてDeep Learningの技術を使って猫の絵を判別できた年でもありました。RTB Houseは広告配信における各要所にそのDeep Learningの技術を使用しています。
現在では世界44か国にオフィスを構え、日本法人は2018年2月にオフィスを開設。
ラストクリックでも計測できることや、CPA/ROASを保証できることから、昨年の日本法人開設以降、多くの広告主様に導入いただき、現在では取り扱いアカウントは100を超えるまでになりました。