失敗しないサイトリニューアルとは
サイトの担当者である限り避けられないのがサイトの新規立ち上げやリニューアルです。どうせ担当するなら、確実なプロジェクト進行と成果拡大を実現したいですよね。
そのためには信頼できるパートナー選びが重要です。その信頼できるパートナー選びの基準として、ここではプロジェクト進行のポイントを紹介します。
目次
失敗しないサイトリニューアルの流れとは
上司の一声で決まったため、サイトリニューアルを進める前の依頼が明確になっていないことはありませんか。まずはパートナーに声をかける前に最低限、下記の項目が明確になっているか確認しましょう。
①ブランディングかコンバージョン拡大のどちらが目的か
②目的にあわせたコンバージョン数とKPIは明確か
③納品日の目安、コストの上限、プロジェクトの対象の範囲
依頼事項が明確になっているものの、どのような流れでリニューアルが行われるか想像がつかない。それぞれの工程でどのようなアウトプットが出てくるか分からない。といった悩みはありませんか。
下の図が大まかな流れとアウトプットをとりまとめたものとなります。
■リニューアルの流れとアウトプット例
対象となるサイトの規模や内容でも異なってきますが、このような流れが一般的だと考えます。パートナーからの提案時に不安を感じたら、まずは進め方に問題はないか確認するといいでしょう。
それでは、次章から各工程について紹介します。
サイトリニューアルの指針「Phase01:プロジェクト設計」
プロジェクトを円滑に進めるため、最も重要なパートです。プロジェクト化した時点で、スコープ、納品日、コストは明確になっているため、その前提条件でプロジェクトをどのように進めるかを可視化する必要があります。
その際に活躍するのが「ガントチャート」です。「ガントチャート」ではプロジェクトが完了するまでの業務をタスクレベルまで分解し、「誰が」「何時までに」「何をするのか」を明確にします。
「ガントチャート」が完成すれば、あとは実行するために必要なメンバーのアサインが可能になります。例えば、プロジェクトの最終的な決定者が多忙な役員であっても、半年前から予定が明確になっていれば、アサインは可能ですよね。
■ガントチャートサンプル(一部抜粋)
その他、この工程で必要と思われるアウトプットを紹介します。
サイトリニューアルの仮説構築「Phase02:目標設定」
サイトリニューアルは、投資である以上は費用対効果が求められます。その費用対効果を証明するために、目標コンバージョン数とKPIは、みなさんが勝手に決めるわけにはいかないと思います。もちろん、パートナーの担当ディレクターも経験則や憶測だけで勝手に決めることはできません。
そこで重要なのが社内ステークホルダーへの「ヒアリング」です。普段、関わることがない部署でもヒアリングを通じて業務を理解し、彼らが日々どのようなミッションを遂行し、どのような数字を達成すれば評価されるのかが分かれば、サイトが彼らの業務に貢献できるポイントが見えてくるのではないでしょうか。
例えば、コールセンター部隊のヒアリングを経て1件当たりの接続時間の短縮が求められていると分かったとします。その場合、過去数年間のコールセンターが対応した質疑を分析し、サイト上のよくある質問を見直し、すぐに案内できるようにするなどの施策も打てます。
社内ステークホルダーにとって新サイトが有意義なものとなれば、リニューアル時のテキスト作成や画像の収集なども快く協力してくれるかもしれません。
その他、この工程で必要と思われるアウトプットを紹介します。
サイトリニューアル後の姿を決める「Phase03:サイト設計・デザイン」
ここまでの工程でターゲットユーザー、ユーザーが到達すべきコンバージョンとKPI、コンバージョンに至るまでに必要な情報が出そろったのではないでしょうか。
これを目に見える形に落とし込むのが、この工程の役割となります。
そこでポイントとなるのが、サイトに掲載するページを図式化した「サイトマップ」です。これがあればサイトの全体像を掴めるだけでなく、関連性の高いページ間のリンクが設けられているかなど、ユーザーの導線がチェックできます。
サイトマップでは、ターゲットユーザーが意思決定を行うために必要なコンテンツへ誘導する「導線」と、最終的な「お問い合わせ」があるか確認しましょう。
■サイトマップ概略版
その他、この工程で必要と思われるアウトプットを紹介します。
サイトリニューアル時の品質確認「Phase04:クオリティチェック」
これまでの工程で定義した内容が、ブラウザ上で確認できる工程です。
提供した原稿や写真が正しく反映されているか、サイトマップ上で定めたユーザーの導線にあわせたリンクが設置されているかなどの確認ができます。
ここでのポイントは、実際に操作可能になったからこそフィードバックできる内容の確認です。例えば、短い滞在時間の中でページの内容が正しく伝わるか。そのために文章や図版が適切な情報量か。関連情報へはスムーズに遷移できるか。ホワイトペーパーやコンバージョンボタンはすぐに認識できるか。ボタンがオンマウス時に示す反応が分かりやすいか。など、KPIやコンバージョンに関わるポイントです。
文字の修正などは公開後すぐに直すことができます。公開後修正が困難なサイト全体のルールや、コンバージョンに関わる部分に注力しフィードバックするとよいでしょう。
その他、この工程で必要と思われるアウトプットを紹介します。
サイトリニューアルの価値を最大化「Phase05:解析・成果拡大」
公開したことに安堵し当初予定していた程、運用しないことが多々あります。サイトはリニューアルして終わりではありません。公開してからやっとスタートです。
この工程は、リニューアル前に立てた仮説が正しかったのか検証する大事な工程です。
初期に定めたコンバージョン数に達しているか。想定していたKPIとコンバージョンに相関性はみられるのか。そもそもログ解析から見るユーザーの動向に変化はあったのか。確かめる必要があります。
もちろん、全てが仮説通りにいきません。
コンバージョン数が想定通りの数に至っていなければ、KPIが想定通りの数値になっているのか。想定通りであれば、なぜCVRが伸びないのか調査し、施策を打つなど、改善活動を行うことが重要です。
失敗するサイトリニューアル例
参考までに、サイトリニューアルのプロジェクト進行が残念ながら失敗した例を取り上げます。Webサイトに限らず、準備不足と感じているプロジェクトでも思い当たる節があるのではないでしょうか。
①プロジェクト進行時の失敗
・参加メンバーが多く、意思決定までに時間がかかる
・各工程の社内承認フローが複雑なため、プロジェクト進行が停滞する
②制作時の失敗
・スケジュール優先のため、新規コンテンツの質が悪く、既存コンテンツとの品質に差がある
・LPや既存コンテンツの移行依頼を忘れ、新サイト以外全てNot Foundになった
・サイト構造を一新したため、転送設定が非常に煩雑になった
③プロジェクト振り返り時の失敗
・成果目標を定量的なものとしなかったため、プロジェクトの良し悪しを客観的に判断できなかった
最後に
上の「失敗するサイトリニューアル例」でも書いたように、リニューアルの良し悪しは、最終的にどのような成果を達成したかです。
「Phase05:解析・成果拡大」の章にあるよう成果を拡大するためには、必ず「解析」による検証と、「改善施策」を打つ必要があります。そのために、みなさんができることは、サイトを一時的な投資と捉えることなく、継続的な投資対象であることを、社内で啓蒙することです。
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