スマートフォン アドネットワークは「スマートフォン広告の主戦場」と呼ばれています。
黎明期の2010年当時から現在(2014年6月)に至るまで、スマートフォン広告の中心であり続けているのには理由があります。次項以降でその分野での代表的なプレイヤーとその特徴・実践法について紹介します。
PC広告が純広告(ヤフー等の単一媒体に載せるような広告)から始まっているのに対して、スマートフォン広告は発祥がアドネットワーク広告から始まっており、現在でも市場を牽引しています。
これはスマートフォン広告開始当初、PVの多いメディアがまだ少ないものの、クライアントの広告へのニーズが高かったため、細かいメディアをまとめて、まとまったPVをクライアントに提供する形を取ったことに起因します。
その際の値付けが非常に安かったためトライアルしやすく、多くのクライアントがスマートフォン広告と言えばまずは利用するメディアとしてスマートフォン アドネットワークが挙がり、「スマートフォン広告の主戦場」と呼ばれるようになりました。
目次
スマートフォン アドネットワークのプレイヤー
スマートフォン アドネットワークのプレイヤーは大小含めると多数あり(以下URL参照)、黎明期の2010年から多くの事業者が取り組み、現在に至っています。
<スマートフォン対応アドネットワーク(クリック課金)一覧>
http://matome.naver.jp/odai/2134658395935629601
各社差別化のため、自社のアドネットワークに特色を持たせていますが、それを一つ一つ理解するのは非常に大変です。また、2013年では「DSP」広告でもスマートフォンへの配信が可能となっているので、クライアント及び広告会社はそれも含めて、スマートフォン アドネットワークとして捉え、選定をしていかなければいけません。
以下の項では少しでも選定の基準を持っていただくために、その中でも代表的・特徴的なネットワークを具体名を挙げ、説明します。
代表的なスマートフォン アドネットワーク
もちろんそれぞれに特徴があり、業種・サービスにより効果に違いはありますが、ここではいくつかの観点で代表的なスマートフォン アドネットワークを紹介します。
代表的なスマートフォン アドネットワーク(利用クライアント数の多いアドネットワーク)
数あるスマートフォン アドネットワークの中でも利用クライアント数が多いものは以下の3つです。
■nend
■i-mobile
■AMoad
特に「nend」「i-mobile」はスマートフォン広告開始当初に立ち上がり、その後もクライアント数を維持・拡大しているという意味で、スタンダードな存在といえます。
いずれのネットワークにも共通している特徴が以下です。
① アプリ、webサイト含め、多くのimp在庫を持っている
② 豊富なターゲティング機能を備えている
③ 配信したメディア毎の結果が可視化されている
④ 配信メディア毎に入札を変えて運用できる
⑤ 豊富な実績
「アドネットワーク」は「運用型広告」と呼ばれるカテゴリに分類され、長い期間をかけて運用しながら効果を出していく広告です。今では他のアドネットワークも上記の②・③・④のような機能を備えているものも出てきていますが、①と⑤の要素が他に比べて大きく、支持されています。
その他ネットワークの特徴
前述のアドネットワークほどクライアント利用数は多くありませんが、特定クライアントに支持の高いアドネットワークは他にもあります。その特徴は・・・
① 独自のユーザーデータを保有しており、他ができないターゲティング配信が可能
└auポータル利用者の属性(男女・年齢・エリア)やデジタルコンテンツ購買履歴を基にターゲティング(medibaAD)
② 自社の配信面を持ち、他よりも優先的にその面に配信できる強みを持つ
└GREEの配信面に優先的に配信(GREEads)
課金額の高いゲームや、GREEのような配信面自体に魅力を感じるようなクライアントで出稿があります。
DSP広告
前述したアドネットワークとは別に2011年頃から登場し、話題となっているのがDSP広告です。その特徴は・・・
① どの「面」に配信するかではなく、「誰」に配信するか
前述のアドネットワークが「配信面」を重視しているのに対してDSP広告では自社の商品・サービスに合った「人」を捕まえることを重視。
└「自社サイトに訪れた人のみに配信」「自社サイトを訪れた人に似ている人に配信」
② RTB搭載
アメリカでは主流になりつつある「RTB」と呼ばれる買い付けの仕方を搭載しており、従来よりも無駄なく広告を配信することが可能。
スマートフォン アドネットワークの選び方
■アプリプロモーションの場合
スマートフォン アドネットワークはアプリダウンロード促進のための広告として多くの実績があります。アプリの内容(対象ユーザーや無料・有料)により効果の出るやり方は変わってきます。
まだ広告を試していないようであれば、前述の3つの切り口からひとつずつ代表的なものを試して、効果の出るアプローチ手法を探していくのがオススメです。
【優先度1「代表的なネットワーク」の活用】
★おすすめメディア 「nend」
正直、代表的なネットワーク(Amoad、i-mobile)であれば、どれを実施してもさほど大きな違いはないと思いますが、中でも「nend」はアプリプロモーションの実施が多く、利用クライアントの多くが継続的に利用している実績があります。また、その他のメディア(Amoad・i-mobile)でも可能ですが、配信先の広告メディア毎の効果が可視化されます。
まだどのようなアプリ(サイト)に広告を出せば効果が良いのか把握できていない広告主であれば、最初はできるだけ広く配信をして、早めに自社のアプリに合うアプリ(カテゴリ)を把握することにより、その後の運用が効率的になると考えます。
【優先度2 「デジタルコンテンツ利用者」ターゲティング】
★おすすめメディア(メニュー)
ScaleOut 「デジタルコンテンツ利用者ターゲティング」
※auのデジタルコンテンツ利用者データが基になっています。
アプリはダウンロードだけではなく、その後のアクティブ度が求められます。
アプリ利用傾向は大別すると以下のようになります。
上記のメニューでは「アプリ(デジタルコンテンツ)で課金している人」だけを狙って広告を配信することも可能です。
※課金レベル(重・中・微)まで選択できます。
数はあまり期待できませんが、その後のアクティブ率を重視されるような広告主にオススメです。また、大事なポイントとして、よほど大規模なプロモーションでない限りは「利用しない人」をなるべく外して配信をすることにより、プロモーション効率を高めることができます。
※アプリを利用しない人に利用させるというアプローチをする場合は、かなり強い動機付けが必要になります。
■リード型(会員登録・資料請求目的)のプロモーションの場合
基本的な考え方は上記のアプリプロモーションと変わりませんが、スマートフォン アドネットワークはアプリプロモーションでの利用が圧倒的でリード型のプロモーションで利用され始めたのは最近の話です。これからトライされるのであれば「従来のプロモーションの延長線上」という軸でメディアを選ぶのがオススメです。
★おすすめメディア
① GDN・YDNスマートフォン配信(リターゲティング)
② マイクロアドBLADE スマートフォン配信(リターゲティング)
多く企業ではすでに上記のメディアのリターゲティング配信は経験があるでしょう。効果の高いリターゲティングをスマートフォンで拡大していくやり方がリスク低く、オススメです。
① については配信先毎の結果も見ることができるので、ここで効果の高いサイト(カテゴリ)にあたりをつけて、強弱をつけていくといいでしょう。
また、②はCPAの自動最適化機能があるので、あまり運用に手がかけられない場合はおすすめです。
■EC型プロモーションの場合
こちらも基本的な考え方が変わりませんが、よりプロモーションのハードルが高いことが予想されます。
自社の商品・サービスに合った「面」及び「人」がターゲットできるメディアを優先的に選ぶのがオススメです。
※商品点数が多い場合
PCで効果の高い「レコメンド広告」をスマートフォンでも展開可能なので、その方法がまずは勝率が高いのではないかと考えます。
★おすすめメニュー
「デクワスAD」「TAGGY」等のレコメンド配信サービス
※商品点数が少ない(単品商品等)場合
単価が高い商材の場合はスマートフォン アドネットワークでは成果が出にくい傾向にあります。前述のweb課金者に絞っての配信も考えられますが、キャンペーンを絡める等の何かしらの工夫が必要になるでしょう。
無料サンプル等、単価の安い商品であればあまり細かいターゲティングはせず、「安く、広く」配信していくことをオススメします。
上記のような基準を基に広告会社やメディアに要望を出すと、自社に合ったスマートフォン アドネットワークに辿り着ける可能性は高まるのではないかと考えています。
※商品・サービスや市場の状況により上記は変化する可能性があります。お困りであればご相談ください。