Youtube内で配信される動画広告、Youtube広告。
動画広告市場全体の盛り上がりや、国内の月間利用者数6,500万人超という膨大なリーチ環境を鑑み、自社でもYoutube広告を運用すべきかどうか悩んでいる方も多いことでしょう。
この記事では、Youtube広告が気になっている方に向けて、
- Youtube広告の基本情報
- Youtube広告のメリット・デメリット
- Youtube広告の種類とそれぞれの特徴、課金形態
- 目的ごとに選ぶべきYoutube広告の種類
- Youtube広告を成功させるためのポイント
を分かりやすく解説します。
目次
Youtube広告とは
「インストリーム広告」「バンパー広告」「ディスカバリー広告」など、さまざまな種類の動画広告を取り揃えたYoutube広告。
動画広告全体の市場規模は年々右肩上がりの傾向にあり、2023年には5,000億円を超える巨大市場に成長するとのデータもあります。
なぜ、多くの企業がこぞってYoutube広告を取り入れるのでしょうか。
数字によるファクトベースをもとに、その理由を分析しました。
Youtubeの認知率・利用率
2005年のサービス公開以降、動画配信プラットフォームとして不動の地位を確立してきたYoutube。
NTTドコモ モバイル社会研究所による調査では、男女ともに、全年代を通じて95%以上の人がYoutubeを認知しています。
利用率は、男性では10~40代、女性では10~30代において70%以上を記録しており、依然として若い世代において積極的に視聴されていることが分かりました。
※NTTドコモ モバイル社会研究所による調査結果を元に弊社にて作成
Googleが開催するイベント「Brandcast」での発表によると、日本国内におけるYoutube月間利用者数(※)は6,500万人を突破。
新型コロナウイルス蔓延による外出自粛もYoutube利用者増に拍車をかけており、Youtube利用者の74%が「(新型コロナウイルスの流行以降)利用が増えた」と回答しています。
※:18~64歳の月間利用者数/2020年9月時点
最近では、Youtubeはスマホだけでなくテレビでの視聴機会も増えつつあります。
2020年6月には、1,500万人以上がテレビでYoutubeを視聴していることが分かっており(※)、前年比2倍以上という大躍進ぶりを見せています。
個人で動画を楽しむだけでなく、家族や友人、パートナーと一緒にYoutubeで動画を楽しむというスタイルが定着しつつあることが伺えます。
※Google開催のイベント「Brandcast」での発表より
Youtube広告の市場規模
Youtubeの利用者増加と足並みを揃えるようにして、Youtube広告の市場規模も拡大傾向にあります。
2017年にCA Young Labとデジタルインファクトが共同で行った調査によると、2017年のYouTuber市場規模は219億円(前年比約2.2倍)。
2022年には579億円にまで拡大することが予測され、うち6割近くの335億円をYoutube広告による収入が占めています。
この結果からも、Youtube広告の配信ボリュームがいかに大きいかが伺えます。
出典:CA Young Lab、2017年国内YouTuber市場調査を実施 | 株式会社サイバーエージェント
章の冒頭でも少し触れておりますが、動画広告全体の市場規模も右肩傾向にあり、2019年には2,592億円に到達(前年比141%)。2023年には5,065億円に達する見込みを示しており、今後もさらなる拡大が予測されます。
出典:サイバーエージェント、2019年国内動画広告の市場調査を実施 | 株式会社サイバーエージェント
Youtube広告のメリット
今後、ますますの盛り上がりが見込まれるYoutube広告。なぜ、多くの企業がYoutube広告をプロモーションに取り入れるのでしょうか。
その理由は、以下の5つのメリットにありました。
- 世界最大級の動画配信プラットフォームに対して広告出稿できる
- ターゲットを絞り込むセグメント方法が豊富
- 他広告よりずっと低単価で広告出稿できる場合もある
- 動画広告視聴者をリマーケティングリスト化できる
- 自社サイトに直接誘導しやすい
それぞれについて詳しく解説します。
世界最大級の動画配信プラットフォームに対して広告出稿できる
前述したとおり、Youtubeの国内月間利用者数は6,500万人を突破。
世界中では20億人ものユーザが動画を視聴しているとも言われる、世界最大級の動画配信プラットフォームです。
せっかく予算を投じて動画広告を作成したなら、なるべく多くのユーザに見てもらい、高い成果に繋げたい。そんな時の選択肢として、Youtube広告はまさにうってつけの動画広告なのです。
ターゲットを絞り込むセグメント方法が豊富
多彩なセグメントを駆使し、ターゲットを絞り込んで広告配信できることも、Youtube広告の魅力のひとつです。
ユーザの属性や興味関心をもとにした「オーディエンスターゲティング」と、Youtube広告配信先を指定できる「コンテンツターゲティング」を組み合わせることにより、高い精度でターゲティングを絞り込むことができます。
2021年4月時点で、Youtube広告に実装されているセグメントは以下のとおりです。
<オーディエンスターゲティング> ○ユーザ属性グループ(年齢や性別、子供の有無、世帯収入など) |
<コンテンツターゲティング> ○プレースメント |
新規ユーザに接触するためのチャネルとしてはもちろん、リマーケティング機能を活用(※)し、すでに自社サイト・アプリに訪れたことのあるユーザの再発掘チャネルとして活用することも可能です。
※:Google Adsとの連携が必要です。
他広告よりずっと低単価で広告出稿できる場合もある
これには2つの理由があります。
1つ目の理由は、「インストリーム広告」の特殊な課金形態にあります。
インストリーム広告については次章でも詳しくお伝えしますが、種類として
・スキップ可能な広告(広告開始後5秒間のみスキップ不可)
・スキップ不可の広告
の2パターンがあります。ここでは「スキップ可能な広告」を例に紹介をします。
動画の前後、および途中で再生されるインストリーム広告は、Youtube広告が、
・30秒以上の場合:30秒以上視聴されたとき
・30秒未満の場合:Youtube広告が最後まで視聴されたとき
・Youtube広告がクリックされたとき
この3つのいずれかが発生した際に、広告費用が発生するという特徴があります。
Youtube広告に興味がないユーザは自主的に広告をスキップしてくれるため、その結果、余分な広告費用を抑えることができ、他広告よりも低単価でターゲットにリーチできるのです。
2つ目の理由は、指定キーワードに基づいてYoutube広告を出稿できる「キーワードターゲティング」にあります。
Youtube広告に実装されているセグメント「コンテンツターゲティング」のひとつであるキーワードターゲティング。このキーワードターゲティングを利用すると、指定したキーワードに基づいたYoutube動画やチャンネル、検索結果などにYoutube広告を配信することが可能になります。指定したキーワードに基づいて広告が出稿されるという点は、リスティング広告とよく似ています。
Youtube広告とリスティング広告で同じキーワードを指定した場合、一般的に、Youtube広告のほうが広告費用を安く抑えることができます。そのため、リスティング広告ではクリック単価が高騰しているキーワードでも、Youtube広告上では低単価で出稿できる場合が多いのです。
もちろん、Youtube広告とリスティング広告ではユーザの購買意欲が大きく異なる特徴もあるので、必ずしもYoutube広告が優れているわけではありません。
ただ、リスティング広告ではCPCが高騰し出稿が難しいキーワードでも、Youtube広告であれば許容範囲内で運用できる可能性が高いことは事実です。
よって「高CPCキーワードと親和性が高いユーザへのアプローチ手段」として活用することができるのです。
動画広告視聴者をリマーケティングリスト化できる
Youtube広告はGoogleAdsと連携することができますので、「Youtube上で何かしら接触したユーザ」というリマーケティングリストを作成することが可能です。
具体的には、Youtube上で以下9パターンのいずれかの操作を行ったユーザが、リスト化できる対象となります。
|
「チャンネルの動画を視聴」などは範囲が広すぎるため確度がバラバラですが、「チャンネル登録」「チャンネル ホームページにアクセス」などは興味関心が高いことが想定されます。
Youtube広告をきっかけにして新しいユーザと接触し、高確度ユーザに絞ってリマーケティング配信することで、効率的に獲得母数を増やす。こうした活用方法があることも、Youtube広告の魅力のひとつです。
自社サイトに直接誘導しやすい
Youtube広告で使用する動画内には「CTA(Call To Action)ボタン」を設置できます。
このCTAボタンをクリックしてもらうことで、ユーザを自社サイトに直接誘導することが可能になります。
CTAボタンにはさまざまな種類があり、動画再生中や終了画面に表示されるタイプや、動画周辺にテキストやボタンとして設置するタイプなどがあります。
これらのCTAボタンを有効活用すれば、ユーザのストレスが軽減され、Youtube広告視聴後の離脱率を改善することができるでしょう。
Youtube広告のデメリット
続いて、Youtube広告のデメリットを見ていきましょう。Youtube広告において想定されるデメリットは、大きく以下の3つです。
-
- クオリティやターゲティング精度が甘いと逆効果になる恐れもある
- 広告が配信されてもスキップされる可能性がある
- 審査段階で時間・費用がかかる場合もある
クオリティやターゲティング精度が甘いと逆効果になる恐れも
「Youtube広告」の関連キーワードやサジェストワードには、こんな単語が並んでいます。
Youtube広告 不快 |
こうした単語からも、Youtube広告を疎ましく感じているユーザが一定数以上いることが分かります。
・明らかにクオリティの低いYoutube広告
・自分の興味関心からかけ離れたYoutube広告
・主張が押し付けがましい・ネガティブなYoutube広告
などは、さらにそうした感情を増幅させかねません。
事実、ジャストシステムが行った調査によると、Youtube広告で「悪い印象を抱くことがある」と回答した人は37.7%にのぼっています。
残念ながら、同調査内の「良い印象を抱くことがある(33.7%)」、「興味を抱くことがある(35.6%)」よりも数値が高くなっています。
ユーザに認知されたい、ブランディングしたいと思って配信したYoutube広告が、企業やサービスへの悪印象を持たれるきっかけになっては本末転倒です。
そうならないために、配信するYoutube広告のクオリティはもちろん、ターゲティング精度にもしっかり気を配るようにしましょう。
広告が配信されてもスキップされる可能性あり
前述したインストリーム広告の「5秒経過するとYoutube広告をスキップできる」という特徴は、メリットにもデメリットにもなり得ます。
なぜかというと、貴社サービスに興味関心が薄いユーザだけでなく、極めて親和性が高い高確度ユーザも、Youtube広告をスキップしてしまう可能性があるからです。
一般的に、スキップ可能なインストリーム広告の平均視聴率は20~45%程度と言われています。
高確度ユーザにしっかりYoutube広告を見てもらい、サービスに興味を持ってもらうためにも、スキップできない「最初の5秒」でユーザの心を鷲掴みにするなどクリエイティブ面での工夫が重要です。
審査段階で時間・費用がかかる場合も
配信準備が整ったYoutube広告は、YoutubeおよびGoogle Adsの広告審査基準に則って審査されます。
審査は1営業日以内で完了することがほとんどですが、状況によっては審査時間が長引くケースもあるでしょう。
また、Youtube広告が不承認となった場合には内容の修正が必要となり、動画編集費用および修正時間が発生する可能性もあります。
無駄な手間や費用を生じさせないためにも、広告審査基準をしっかりチェックしたうえでYoutube広告を作成するようにしましょう。
Youtube広告の種類と特徴
この章では、広告メニューの代表的な3つのメニュー「インストリーム広告」「バンパー広告」「ディスカバリー広告」について、各広告の特徴や課金形態に加え、メリットやデメリットを解説します。
「Youtube広告を配信したい理由・目的」を念頭に置きながら、各広告の特徴をご覧ください。
インストリーム広告
今回紹介する3つのYoutube広告のなかでも最大の配信ボリュームを誇るのが「インストリーム広告」です。
Youtube動画の冒頭や終了時、あるいは途中で配信され、
- 5秒以降はスキップできる設定
- スキップできない設定(15秒以下のYoutube広告に限る)
上記2パターンから選ぶことができます。
インストリーム広告の課金形態
インストリーム広告の課金形態は、スキップ可能・スキップ不可の設定ごとで異なります。
スキップ可能なインストリーム広告では、「視聴課金」という課金形態をとっています。
視聴課金では、下記のいずれかの条件に当てはまった場合に広告費が発生します。
- Youtube広告が30秒以上視聴された場合
- Youtube広告が最後まで視聴された場合(30秒以下のYoutube広告に限る)
- Youtube広告がクリックされた場合
スキップ不可のインストリーム広告では、「インプレッション課金」で広告費が発生します。
インプレッション課金でインストリーム広告を配信するためには、予算や掲載期間を指定し、目標インプレッションに対して単価を設定する必要があります。
インストリーム広告のメリット・デメリット
インストリーム広告のメリット
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インストリーム広告のデメリット
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バンパー広告
「バンパー広告」はインストリーム広告の1つで、配信タイミングはインストリーム同様、動画の冒頭や終了時、途中です。以下2点が大きな特徴といえます。
- 6秒という短いYoutube広告
- スキップできない
Googleが「動画広告の俳句」と表現したこともあるバンパー広告は、長いメッセージを伝えるには不向きです。ですが、6秒という短い時間で簡潔に主張することで、ユーザに強いインパクトを残すことができます。
バンパー広告の課金形態
バンパー広告の課金形態は「インプレッション課金」となります。
スキップ不可のインストリーム広告同様、目標インプレッションに対して単価を設定し、Youtube広告を配信します。
バンパー広告のメリット・デメリット
バンパー広告のメリット
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バンパー広告のデメリット
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ディスカバリー広告
これまで紹介してきたインストリーム広告やバンパー広告は、Youtube動画内に表示される広告です。
それに対し、ディスカバリー広告は、
- Youtube内の検索ページ
- Youtube内の動画再生ページ
- Youtubeモバイルアプリのトップページ
- Youtubeモバイルアプリのウェブ検索ページと動画再生ページ
上記いずれかに表示される仕組みになっています。
それぞれの配信例を見てみましょう。下図の赤枠で囲った部分がディスカバリー広告です。
▼Youtube内の検索ページ
▼Youtube内の動画再生ページ
▼Youtubeモバイルアプリのトップページ
ディスカバリー広告は、ユーザの検索キーワードや動画等との関連性に基づいて配信されます。
「動画タイトルやサムネイルに興味を持ったユーザがクリックし、初めてYoutube広告が再生される」という点で、インストリーム広告やバンパー広告と大きく異なります。
つまり、自ら「Youtube広告を見る」ことを選択したユーザに対してのみリーチすることができるので、他のYoutube広告よりも高い成果が期待できます。
ディスカバリー広告の課金形態
ディスカバリー広告は「広告視聴課金」タイプのYoutube広告です。
入札の際は、ディスカバリー広告1回の視聴に対して支払い可能な上限額を指定します。
広告費は、配信されたディスカバリー広告をユーザがクリックした時点=ディスカバリー広告の再生が開始された時点で発生します。
Youtube広告の再生時間に関わらず広告費が発生する、という点でインストリーム広告と異なりますので注意しましょう。
ディスカバリー広告のメリット・デメリット
ディスカバリー広告のメリット
※:ユーザが自ら能動的に情報を取得しにいくタイプの広告のこと |
ディスカバリー広告のデメリット
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目的別!選ぶべきYoutube広告は
それでは、実際に配信するYoutube広告の選定に入りましょう。
ここまで紹介してきた種類や特徴などの情報をもとにすれば、ほとんど迷うことはありません。
選ぶべきYoutube広告の種類は、プロモーションの目的によって決まります。
プロモーションの目的は、細分化すれば実に多岐にわたりますが、大きく分類すると以下の3つになります。
- 商品・サービスの認知度を高めたい
- 見込み客の獲得・育成をしたい
- 成約に繋げたい(商品購入やサービス登録など)
Youtube広告を行う目的はなんですか?Youtube広告を通じて、どんな成果を得たいと考えていますか?
目的や得たい成果を明確にしたうえで、以降の段落をご覧ください。
商品・サービスの認知度向上には「バンパー広告」
6秒という短い時間でインパクトを与えるバンパー広告は、長いメッセージを伝えるには不向きですが、ユーザの興味関心を掻き立てるきっかけとしてバンパー広告は最適なYoutube広告です。
スキップ不可のYoutube広告ですが、拘束時間は6秒と極めて短いため、ユーザが感じるストレスも軽微で済みます。
バンパー広告を通してユーザに好印象を与え、「今の広告の詳細がもっと知りたい!」と検索行動に繋げられれば大成功です。
検索行動にまでは至らずとも、しっかりと情報を伝えてインパクトを残すことができれば、商品・サービスの認知度向上に繋がります。
見込み客の獲得・育成には「インストリーム広告」
見込み客の獲得・育成にはインストリーム広告が向いています。
見込み客を獲得したいのであれば、スキップ可能なインストリーム広告を活用しましょう。広告をスキップするか、最後まで見るか、最後まで見たうえでページ遷移もするかによって、ユーザの見込み度合いをはかることができます。スキップ可能なインストリーム広告であれば、広告視聴ユーザをリマーケティングリストに加えることも可能です。Youtube広告上での接触だけで終わらず、Google Adsを通じて中長期的に追いかけることができますので、見込み客獲得による母数拡大に非常に有効です。
見込み客を育成したいのであれば、スキップ不可のインストリーム広告を活用しましょう。最大15秒という時間をかけ、じっくりとメッセージを伝えることができますので、商品・サービスの魅力を存分にアピールすることができます。
成約に繋げるには「ディスカバリー広告」
商品購入やサービス登録など、成約に繋げたい場合にはディスカバリー広告がおすすめです。プッシュ型のインストリーム広告やバンパー広告とは異なり、ディスカバリー広告はプル型のYoutube広告です。
プル型広告はプッシュ型広告よりも高確度ユーザにリーチしやすいため、高い成約率を期待することができます。
- クリックしてもらえないとYoutube広告を見てもらえない
- インストリーム広告に比べると配信ボリュームが小さい
などのデメリットはありますが、少数の高確度ユーザに絞ってリーチし、高い転換率で成約に繋げたい場合には、断然ディスカバリー広告が有効です。
Youtube広告で成功するための7つのポイント
本記事の最後となるこの段落では、Youtube広告で成功するためのポイントを紹介します。ぜひ、このポイントに基づいてYoutube広告を作成し、満足できるYoutube広告を配信しましょう。
重要となるのは以下の7つのポイントです。
- 「最初の5秒」でユーザの心を鷲掴みにする
- 伝えたい情報を整理する
- ミュートしていても情報が伝わるようにする
- ユーザの潜在ニーズに訴えかけるYoutube広告を心がける
- ユーザに好印象を与えるYoutube広告を心がける
- Youtube広告とGoogle Adsを連携する
- Youtube広告の特性に応じた適切なKPIを設定する
1~5はYoutube広告のクリエイティブについてのポイント、6~7はそれ以外のポイントとなります。
「最初の5秒」でユーザの心を鷲掴みにする
スキップ可能なインストリーム広告において「最初の5秒」は極めて重要です。この5秒の間に、ユーザはYoutube広告の続きを見るかどうかを決定します。
「どんなユーザにこのYoutube広告を見てほしいのか」を明確にし、その層の興味関心を的確に煽る内容を最初の5秒に詰め込みましょう。
これが、Youtube広告の成功を左右する大きなポイントのひとつです。
Youtube広告で伝えたい情報を整理する
すべての広告に共通して言えることですが、広告を通じて伝えたい情報は簡潔かつ分かりやすくすることが求められます。
広告内に複数の主張を入れ込んでしまうと、ユーザを混乱させてしまいかねないためです。
Youtube広告においても同様です。
6秒という短いバンパー広告はもちろんのこと、インストリーム広告やディスカバリー広告においても、Youtube広告で伝える情報は簡潔にまとめましょう。
どうしても伝えたい情報はYoutube広告のリンク先にたっぷり詰め込み、興味を持ってリンク先を訪れたユーザに読んでもらえるようにするといいですね。
ミュートしていても情報が伝わるようにする
Youtubeを利用する際、すべてのユーザが音を出しているとは限りません。字幕やテロップを入れる、マンガ形式の動画にするなどして、ミュート状態でもYoutube広告の内容が伝わるようにしましょう。
ユーザの潜在ニーズに訴えかけるYoutube広告を心がける
Youtube広告で接触できるユーザは、当然ながら、何らかのYoutube動画を見たいと思って行動しているユーザです。
広告商品やサービスについて知っているとは限らず、知っていたとしても、Youtube広告に接したタイミングで顕在化しているのは、あくまで「何らかのYoutube動画を見たい」という目的です。
つまり、広告の商品やサービスについて積極的に情報収集している段階ではないのです。
そのようなユーザに興味関心を持ってもらうためには、ユーザの潜在ニーズに訴えかけるYoutube広告が必要です。
ユーザが潜在的に抱えている悩みや欲求をうまくすくい上げ、興味関心を持ってもらえるYoutube広告であること。あるいは、強いインパクトでユーザの心を掴み、本来の目的であるYoutube動画以上に「見たい」「この先を知りたい」と思ってもらえるYoutube広告であること。
潜在層であるYoutube広告視聴者を効率的に集客するためには、こうしたポイントを意識したクリエイティブにすることが重要です。
ユーザに好印象を与えるYoutube広告を心がける
過激な演出や過度な誇張、ネガティブすぎる訴求をクリエイティブに取り入れることはおすすめできません。
とりわけ、体型や体毛などのコンプレックスを卑下する「外見蔑視広告」はユーザから嫌悪される傾向にあり、「Change.org」では抗議の署名運動が行われるほどです。
この署名運動はYahoo!ニュースでも取り上げられ、外見蔑視広告の存在が社会問題として広く認識されるようになりました。
こうした広告は、ユーザに不快な印象を与えます。よかれと思って配信したYoutube広告が、企業やサービスへの悪印象を植え付けるきっかけになっては元も子もありません。
そうならないためにも、Youtube広告ではユーザに好印象を与えることを強く意識しましょう。好印象を持ってもらい、「面白い」と感じてもらえるYoutube広告であれば、ユーザが自主的に拡散してくれる可能性も高まります。
Youtube広告とGoogle Adsを連携する
続いて、Youtube広告のクリエイティブ以外のポイントを解説します。
Youtube広告を活用するにあたって、Google Adsとの連携はぜひとも行っておきたい設定です。
連携によって、Google Adsの検索履歴や行動履歴をもとにしたターゲティングが可能になることはもちろん、それぞれを補完的に活用することで、Youtube広告・Google Ads双方の効果を改善することができます。
Youtube上で接触したユーザをリマーケティングリスト化する場合にも、Google Adsとの連携は必須です。獲得母数拡大のためにも、Youtube広告とGoogle Adsは必ず連携するようにしましょう。
Youtube広告の特性に応じた適切なKPIを設定する
Youtube広告を行う目的はさまざまです。成約を目的として行う場合もあれば、認知度拡大を目的として行う場合もあります。また、大前提として、Youtube広告の接触ユーザは潜在層であることも理解しておかなければなりません。ですので、他の広告と横一線のCPAで評価してしまうと、Youtube広告は立ち行きません。CPAが見合わなくなり、早々にYoutube広告を停止せざるを得なくなるでしょう。
Youtube広告を上手に運用するためには、Youtube広告の特性に応じた適切なKPI設定が欠かせません。横一線のCPAで見るのではなく、視聴率やクリック率、視聴回数など、配信するYoutube広告の特性を鑑みたKPIを設定するようにしましょう。成果重視のディスカバリー広告であっても、横一線のCPAだけで見るのは推奨しません。Youtube広告の接触ユーザが潜在層であることを加味し、許容CPAにバッファを持たせることをおすすめします。
まとめ
この記事では、Youtube広告の基本からメリット・デメリット、Youtube広告の種類や特徴とそれぞれに適した目的、成功のために押さえておくべきポイントまで、幅広く解説しました。
Youtube広告に関する疑問点は払拭されましたか?自社で選ぶべきYoutube広告の種類は明確になりましたか?
改めて、記事の内容をおさらいしておきましょう。
■Youtube広告のメリット
- 世界最大級の動画配信プラットフォームに対して広告出稿できる
- ターゲットを絞り込むセグメント方法が豊富
- 他広告よりずっと低単価で広告出稿できる場合も
- 動画広告視聴者をリマーケティングリスト化できる
- 自社サイトに直接誘導しやすい
■Youtube広告のデメリット
- クオリティやターゲティング精度が甘いと逆効果になる恐れも
- 広告が配信されてもスキップされる可能性あり
- 審査段階で時間・費用がかかる場合も
■Youtube広告の主な種類と特徴、それぞれに適した目的
- 商品・サービスの認知度向上には「バンパー広告」
- 見込み客の獲得・育成には「インストリーム広告」
- 成約に繋げるには「ディスカバリー広告」
この記事が、満足できるYoutube広告の運用に役立ちましたら幸いです。