広告バナーやランディングページ(以下LP)などの広告クリエイティブは、掲載媒体や訴求内容によってユーザにすぐに飽きられてしまうことも多々あり、より効果を出すためには別クリエイティブへ差し替えるなどのスピーディな運用改善(最適化)が求められます。
広告クリエイティブ運用では、あらかじめ設けた指標(CTRやCVRなど)でその良し悪し定量的に判断することが一般的です。
ですが、上記のようなスピード勝負の運用を重ねていくと、時として「なぜこれが良かったのか…?」と、分析困難に陥ることや、検証のために広告クリエイティブをテスト的に運用しても、数字上あまり差がでず、仮説材料がなくなり改善の打ち手が止まってしまうというケースがあります。
そんなときに活用できるのが、アンケートやインタビューによる広告クリエイティブの定性調査方法です。
弊社実績でも、事前調査と実効果の相関関係が見えており、おススメをしている施策のひとつです。
本記事では、定性調査を実施した結果、どのような広告効果が見込めるのか事例を紹介しつつ、バナーとLPでの活用術を紹介します。
▼定量・定性調査の概論は過去記事でご紹介しています!ご興味があるかたはコチラをチェックしてください
定性調査とは?その方法とWEBサイト設計の落とし込み方を解説!
目次
高シンクロ率!定性調査とクリエイティブ配信効果の関係性
アンケートやインタビューによる定性調査の結果が、実際の広告の効果をシンクロするのか?と疑問を持たれるかたもいるかと思います。そこでご覧いただきたいのが、以下の実績です。
■不動産系サービスにおける定性調査とバナー実配信結果の関係性
■結婚・婚活系サービスにおける定性調査とバナー実配信結果の関係性
ご覧の通り、特にユーザの評価が高い傾向にあるバナーは、実際の配信結果においても高い数値を獲得する傾向がみられます。
また、この定性調査では同時に「一番良いと感じる理由」も、ユーザからコメントを取得しており、そのコメント内容を次のクリエイティブへ活用・展開しました。
定性調査を行うには、ターゲティングの設定や、設問内容などは重要な要素であり、それらを誤ると思った通りの結果が得られない場合もあります。
誰を対象とし、どういった目的で、何を調査対象とするのかをしっかり設計のうえ、実施することをおすすめいたします。
次項目では、広告クリエイティブの定性調査活用術を、
「利用シーン①既存施策の打ち手に詰まったとき」
「利用シーン②新規施策の精度を高めたいとき」
といったシーン別で紹介します。
定性調査利用シーン①既存施策の打ち手に詰まったとき
バナーの場合
ユーザに飽きられやすく効果が思うように出ない→バナーを差し替える といった回転の速い傾向にある場合は、「一時期は効果が悪かったから止めていたけれど、再開したらよい結果が出た」などの話はよくあり、一時的な数値だけの判断には限界があることがわかります。
そこで、すでにあるバナーに対し、「何が良いと感じるか」「どこに惹かれるのか」といった現状調査を行うことで、継続して活用すべきか、別訴求を考えるか、など、施策の精度を高めることが可能です。
【POINT】
〇実際に掲載したバナーの勝ち因子・負け因子が発見できる
〇広告上の数値結果と照らし合わせることで課題点を抽出することができる
〇未知のユーザーインサイトが発見できるケースもある
LPの場合
LPは、ヒートマップツールを利用してページ上での行動から推察する手段もあります。
ヒートマップで得た情報に加えて、定性調査を実施することによってなぜそのような行動を行ったのかという理由を明確にできることや、現状のコンテンツにはないけれど、本当は知りたい…といった、行動データだけでは抽出できない、潜在的な課題点を知ることも可能です。
▼LP定性調査イメージ
LPを実際に見ながら、気になる個所にコメントを残せるツールを使って調査しました。
赤い部分は比較的良いコメントが集まっている箇所、青い部分はネガティブなコメントが多かった箇所です。ネガティブなコメントを見てみると、シニア層向けの商材であったにも関わらず、文字の小ささや色合いによる読みづらいといった内容で占められていました。
もしも、行動データのみの結果であれば、見られていない箇所を非表示にするような調整になるのではないでしょうか。
表現方法の工夫だけで活かせる情報であれば、やはりしっかり伝えたいものですよね。
UI上の問題点は、対象となったLPだけではなく、全体の制作物に活用できる情報でもあります。
このように、ユーザの言葉で可視化されることで、新しい発見をすることもできるでしょう。
【POINT】
- 運用中LPの勝ち因子・負け因子が発見できる
- 問題の要因を明確に把握することで適切な対応手段がとれる
- 未知のユーザーインサイトが発見できるケースも
定性調査利用シーン②新規施策の精度を高めたいとき
バナーの場合
事前にバナーの反応率を把握しておくことで、効率が悪いと予想されるものを事前に排除し、リスクの少ないプロモーションを実施することが可能です。
新しい施策実施のタイミングでは、考察の元として参照できる実績や情報も少ないケースがほとんどです。そのような状況において、示唆情報を増やし、広告効率をスタートから安定的に運用できる、手段であるといえるでしょう。
LPの場合
LPもバナー同様、事前に反応を調査しておくことで、さまざまなメリットが期待できます。
特にLPは、バナーと比較しても、制作工数が必要になるケースが多く、広告運用を開始してからその効果が把握できるまで約2週間~1ヵ月ほどの時間を要します。
あらかじめ定性調査によるユーザーニーズの洗い出し・調査を行っておくことで、新たな施策においてもユーザーニーズとのミスマッチを起こすことなく、こうした制作コストや広告コストの犠牲を避けることができるでしょう。
【おススメ】
- 期間限定のプロモーションや正念場のシーズンでスタートから精度を高めたいとき
- マーケットの調査も含めてさまざまな訴求や表現をテストしたいとき
- 相性の良いトンマナの洗い出しをおこないたいとき
- 悪化リスクを抑えながらPDCAを実施したいとき
最後に~LP改善の打ち手にお困りのかたへ~
いかがでしたでしょうか?日々のPDCAのなかで、打ち手に困ったときのひとつの手段として、ぜひ参考にしていただければと思います。
メディックスのアドクリイティブ特化チーム「B-SOKU」では、現状の運用状況や、商材・ターゲット・配信媒体、広告状態を網羅的に把握し、効果改善につながるクリエイティブをご提案致します。
ぜひお気軽にご相談ください。