突然ですが、あなたはリードジェネレーションの概念やベストプラクティスを正しく理解しているでしょうか?
頻繁に使う言葉であるにも関わらず、理解しきれていないと感じている方が多いのではないでしょうか。
今回は、「リードジェネレーション完全ガイド」と題して、リードジェネレーションに関する最新の知見をまとめさせていただきました。
ぜひ、参考にしていただければ幸いです。
※本記事はBtoB企業を対象に執筆しております。
目次
リードジェネレーションの基本
まずは、リードジェネレーションの基本である概念や定義を正しく理解しましょう。
リードジェネレーションとは?
リードジェネレーションとは「リード(見込み顧客)の獲得」のことです。
リードジェネレーションという言葉は、2005年頃のアメリカで使われ始めました。
リードジェネレーションを直訳すると、「手掛かりの生成」となります。
また、英語版Wikipediaには下記のように記載されています。
“lead generation is the initiation of consumer interest or inquiry into products or services of a business.”
こちらを意訳すると、
「リードジェネレーションとは、製品やサービスに対する興味関心の入り口」となります。
出典: Wikipediaフリー百科事典 「Lead generation」 16 May 2016, at 22:21.
https://en.wikipedia.org/wiki/Lead_generation
ここでのポイントは、リードジェネレーションがコミュニケーションの「入り口」であり、最初の接点であるということです。予算を投下する立場からすると、直近の売上を求めたくなるところですが、中長期的な視点で考えていくことが重要です。
リードとはメールアドレスのことか?
続いて、リードの定義に関してです。
前述の通り、リードを直訳すると「手掛かり」という意味になります。
しかしながら、マーケティングの現場では「リード=メールアドレス」のように使われていることが多いように思います。
メールアドレスは重要な手掛かりの1つですが、全てではありません。
例えば、企業SNS(Facebook、Twitterなど)のフォロワー数やRSSの登録も手掛かりとなります。
テクノロジーが進化し、手掛かりの形も変化してきていますので、
「リード=こちらからアプローチできる接点」くらいで捉えるのが良いと思います。
定義を狭めすぎずに、柔軟に発想することを心がけましょう。
リードの質を決める4つの要素
リードの定義は狭めすぎない方が良いと述べましたが、「良いリード」の基準は持っておくべきです。
質の良いリードは、優先順位高く営業に渡す必要がありますし、プロモーションの計画や効果測定においても必要な基準となります。
下の図に、リードの質を決める4つの要素をまとめております。
つまり質の良いリードとは、“連絡先情報を詳細まで入手できていて”、”BANT条件を満たしている”、そして”興味関心事項は具体的に特定できていて”、”ロイヤリティも高い”リードといえます。
リード獲得単価を一律で比較するのではなく、リードの質も考慮して施策を評価していただければと思います。
リードジェネレーションの環境変化を捉える
この章では、リードジェネレーションを取り巻く環境の変化と効果的な手法のヒントをお伝えします。
情報量の急激な増加
インターネットの登場以降、情報量は急激に増加しています。
世界に流れる情報量は、「世界中の砂の数」を超えているといわれています。
また、情報量の増加とタイミングを同じくして、Googleなどの検索エンジンが普及しました。
ユーザはメディアから情報を与えられるだけではなく、自ら情報を探しに行くようになりました。
与えられた不十分な情報で仕方なく判断するのではなく、
自らの意思で十分な情報を収集してから判断する傾向が強くなっています。
今や当たり前ではありますが、検索エンジン対策は万全に行う必要があります。
SEO対策を実施していくとともに、リスティング広告も上手く活用して検索エンジン対策の質を高めていくことが重要です。
アテンションエコノミクス
人間の興味・関心の絶対量には限界があることをご存知ですか?
情報が溢れている現代は、常に人間の興味・関心の器は満杯になっている状態です。
つまり、新しい情報を伝えたい場合には、誰かが引きつけている注目を奪うしかないのです。
この構造のことを、アテンションエコノミクス(注目の経済学)と呼びます。
情報自体の希少価値が下がっていることから、情報の質をユーザが重要視するようになっています。
つまり、ユーザの興味・関心を引くためには、「ユーザの役に立つ価値のある情報」を届ける必要があります。
こういった考え方から、昨今はコンテンツマーケティングといった手法が流行しています。
あくまでユーザ視点で良質なコンテンツを提供することが重要です。
購買プロセスの潜在化
ガートナーの調査によると、ユーザはベンダに問合せる前に購買プロセスの60%以上を済ませているといいます。※出典:Retailingtoday、E-consultancy、Acquity Group、CEB、ガートナー より
これはWebを中心に情報収集を事前に行って、ある程度確信を持ってから問い合わせに至っているということです。
つまり、ベンダ側としては「より潜在層からアプローチするユーザ」必要があるということです。
こういった考えから、マーケティングオートメーションによる自動でのリードナーチャリング(リードの育成)が注目されています。
前述のコンテンツマーケティングと組み合わせて使うことで、潜在的なユーザへの効果的なアプローチが可能となります。
リードジェネレーションの戦略
この章では、リードジェネレーション戦略策定のための具体的な手順を説明します。
ペルソナ策定
まずは、ターゲットをイメージしやすくするためにペルソナを策定します。
ペルソナとは、ターゲットグループを代表する一人の人物像を詳細にイメージする手法です。
既存顧客(特に優良顧客)からイメージを膨らませるのも効果的です。
下の表を参考に、ペルソナを作成してみてください。
ペルソナの精度を高めるためには、直接既存のクライアントにヒアリングするのが有効です。
また、日頃からクライアントと接する機会の多い、営業にインタビューすることも効果的です。
※ペルソナ設定についてはこちらの記事に詳しく説明があります。
カスタマージャーニーマップの作成
次にカスタマージャーニーマップを作成します。
カスタマージャーニーマップとは、顧客の購買行動の流れに沿って、顧客とのタッチポイントや心理を表現したマップのことです。
ここでは、弊社が作成したリード型のカスタマージャーニーマップのフォーマットを掲載します。
3-1で策定したペルソナをもとに、カスタマージャーニーマップを作成しましょう。
※カスタマージャーニーマップの作製についてはこちらの記事に詳しく説明があります。
CTA設計
最後にCTAを設計しましょう。
CTAとは、Call to Action(コール・トゥー・アクション)の略で、「お客様に取ってもらいたい行動を呼びかける」という意味です。
例えば、Facebookのファンになってもらう、体験版をダウンロードしてもらう、といった行動を呼びかけることです。
CTAを、カスタマージャーニーマップに記載することで、売上につながるまでの道程がわかりやすくなります。
また、CTAに沿って、KPI(過程目標)を策定することで定量的に効果測定が可能となります。
このような手順にて、リードジェネレーション戦略を設計してください。
実際にやってみると、思いもつかなかったアイデアも湧いてくるはずです。
リードジェネレーションの効果的な手法は「成果につながるBtoBマーケティングの考え方とおすすめの手法」にもまとめています。
ぜひ、こちらも参考にしていただければと思います。