課題
- ユーザー行動分析などを満足にできていなかった
- データ抽出に時間がかかり、迅速な施策実行ができなかった
- 重要なデータの蓄積が不十分だった
効果
- 見たいデータをはじめ、複数ブランドを横断した多様なデータ分析が可能に
- マーケティング部以外の社員にもデータを見る習慣が定着
- データ抽出のリソースを削減、施策のPDCAが加速
株式会社コラントッテについて
株式会社コラントッテは、医療機器として認証された磁気健康ギア「Colantotte(コラントッテ)」を中心に、機能性とデザイン性を両立させた管理医療機器の製造・販売を行っています。
1997年の設立以来、医療機器メーカーとして培った技術と高い品質をベースに、多くのトップアスリートの愛用するスポーツラインからファッションラインまで、豊富なラインナップを展開し、近年では2025年開催の大阪万博への出展など、世界規模のブランディングも強化しています。
お話を伺った方

株式会社コラントッテ
マーケティング部
マーケティング部・コミュニケーション課
デジタル・マーケティングG
横田 仁史

株式会社コラントッテ
マーケティング部
マーケティング部・コミュニケーション課
デジタル・マーケティングG
渡辺 郁夫
コラントッテのサイトは、医療機器メーカーのブランドサイトとして立ち上がり、現在はECサイトの側面も強化し、自社サイト経由のさらなる売上拡大を目指しています。
今回は、同社のマーケティング部で活躍する横田様と渡辺様にインタビューを実施し、データマーケティングを中心に、ブランド認知拡大に向けた戦略や今後の展望についてお話を伺いました。
ブランド認知拡大とEC売上向上の両立
― デジタルマーケティング部の具体的な業務内容について教えてください。
弊社には4つのブランドがあり、それぞれにプロジェクトリーダーがいます。彼らがフロントに立ち、広告運用などを担当しています。私たちは、それを支援する形で、ページ制作はもとより各ブランドに関するデータ提供や各種の依頼対応を行っています。例えば、「広告を出したい」という相談を受けて配信を手配したり、「このキャンペーンに合わせて適切なページを作成したほうがいいよね」といった企画段階から関わる業務もありますね。(横田氏)
― お二人の所属されるデジタルマーケティング部のミッションとしては、自社ECの売上がメインなのでしょうか。
もちろん、マーケティング部全体の最終的なKPI、つまりゴールは売上を向上させることです。ただし、デジタルマーケティンググループのミッションは、WEBを活用して弊社のブランド認知を高めることにあります。
ECグループはECでの売上を追求しますが、私たちデジタルマーケティンググループは自社ECに限らず、取引先様の購入もミッション達成の一環と考えています。よって、デジタル市場でのブランド認知を拡大し、結果的にどの販売チャネルで売上が発生しても良いというスタンスです。そのため、業務の幅も広く、深さも求められる領域ですね。(渡辺氏)
― 貴社サイトは、メーカーのブランドサイトの側面とECサイトの側面を持っていますが、いつ頃からEC機能を強化されたのでしょうか。
約7年前からECの強化に取り組みました。元々卸売業が中心でしたが、時代の流れとともにECサイトやモール展開の重要性が増す中で、利益率の高い自社EC化率を上げていくことで会社全体の利益拡大を目指すようになりました。
ただし、当初の自社ECサイトはいわゆるメーカーの商品を紹介するカタログのような位置づけで、卸売先やスポーツ量販店での購入を促すことが主な目的でした。商品購入ボタンはあったものの、あくまで製品情報を発信する場として活用されていました。
コロナ禍をきっかけに、モール、ECサイトともにオンライン販売全体が大きく成長しました。
現状は、やはり顧客データの取得や活用ができる自社ECサイトの優先度が高く、今後もそこを強化していきたいと考えています。ただ、弊社のサイトはメーカーとしての情報発信とECサイトとしての販売促進という二つの役割を担っているため、それぞれ強みを活かしつつ、相乗効果を生み出すようなアウトプットを心掛けています。(横田氏)
― ECの販促面を強調しすぎると、ブランディングとのバランスが崩れてしまうことがありますが、マーケティング部が企業ブランドに対する意識を統一しているからこそ、サイト運営やマーケティング活動が成り立っているのですね。
そうですね。ブランドリーダーからは、例えばお正月の駅伝で弊社の製品を身に着けた選手が多く参加していることを受けて、その催事をサイトのトップページに掲載してほしいという依頼があります。こういった催事は、ブランディングとEC販促が表裏一体である弊社にとって、その両面がうまくマッチして訴求できる重要な機会となります。(渡辺氏)
購入までのプロセス分析とデータ蓄積の重要性
― アクセス解析の目的について教えてください。
広告やキャンペーンの効果測定は当然目的の一つなのですが、主な目的の一つは購入までのプロセス分析です。例えば、広告経由で流入した後、特集ページ、商品ページ、カートへ遷移したユーザーの割合などを追っています。どの段階で離脱しているのかを把握することが重要ですね。
あとは、作成したページやコンテンツの価値の可視化です。弊社は特集ページやキャンペーンページが多いのですが、そこから商品ページへの遷移率や購入率をページ単位で評価しています。
アトリビューションデータも見ていますが、やはり間接効果の評価は難しいですね。クッキー規制の影響もあり、従来の方法ではデータが取得しにくくなっています。一方で、GA4ではエンゲージメント率などの新しい指標が導入されており、今後はこれらを活用してユーザー行動を分析し、購入率との相関を見ていきたいと考えています。(渡辺氏)
― 見たかったデータが概ね見られる状態になったということですね。
リアルタイムレポートや累積購入回数レポートも追加実装してもらったので、EC運営において見たい指標や、基本的な定点観測機能はモニタリングダッシュボードで整ったと感じています。現在は、これらの新しい指標がどれだけ正しく機能し、どの程度相関性があるのかを検証している段階です。間接効果も含めて正しく評価できるようにするには、データを見ることはもちろん重要ですが、まずはできるだけ多くのデータを収集・蓄積することが大切だと考えています。そのため、貴社にもデータ取得の支援をお願いした、という背景があります。
ちょうどGA4に切り替えてからデータが2年分蓄積されつつあるので、今後は昨年対比のデータ分析ができる環境にしたいと思っています。やはり当社の場合、イベントや季節的なトレンドが売上に大きく影響するため、その要素も踏まえた分析を強化していきたいと考えています。(横田氏)
KPIダッシュボードで意思決定を迅速化
■プロジェクトの概要
自社ECの売上拡大に向け、商品ブランド別レポートや初回・リピート購入レポートを実装したKPIダッシュボードを構築。関係者が自らデータを確認できる環境が整い、マーケティング施策の実行スピードが向上。
<メディックスとのお取引内容>
- GA4アカウント設定診断
- GA4設定
- GA4データをBigQueryへつなぎLooker Studioでレポーティングする「GA4モニタリングダッシュボード」
― お取引のきっかけは、UAからGA4への移行に伴う設定支援でした。メディックスを選んでいただいた要因はどのような点だったのでしょうか。
GA4になって、データの取得方法が大きく変わり、UAとは異なる用語も増えましたし、データの保存期間が14ヶ月に制限されるなど、以前と比べて扱いにくい部分も多かったです。
UAに慣れ親しんでいたこともあり、GA4のままでは社内に浸透しにくいと感じていました。そんな中、貴社の提案では、BigQueryを活用することでUAのロジックをある程度再現しながらレポートを構築できる点が魅力的でした。そのおかげで、社内でもスムーズにGA4へ移行できたと感じています。何社かにお声がけしましたが、GA4のデータをBigQueryと連携させるという提案があったのは貴社だけだったと思います。
また、当社は4つのブランドを展開しているのですが、他社の提案はブランドごとにプロパティを分ける形が多かったです。一方で、メディックスは全ブランドを1つのプロパティに統合し、ダッシュボード上で一括管理できる仕組みを提案してくれました。そのままレポートにも落とし込めるという点が非常に魅力的でしたね。
さらに、プロパティを統合することで、BigQueryの活用も含めた全体のコストが他社より抑えられたのも決め手の一つでした。(横田氏)
実際に使ってみても、1つのプロパティで管理できるのは非常に見やすく、分析しやすいです。各ブランドの会議でも、必要なデータをすぐに出せるので、とても便利になりました。
さらに、購入商品の流入経路を簡単に把握できる「ドリルダウン」機能を作ってもらえたのも良かったですね。本来ならGA4の探索レポートを駆使すればできるのですが、「この商品が売れているけど、どこから流入したのか?」という分析を、一発で確認できるようになりました。これまで手作業で検索・抽出していたデータが、ボタン1つで取得できるようになり、非常に便利になりました。(渡辺氏)
― 弊社のダッシュボードを提供している企業様の中で、貴社は最も多い30名以上の方にご活用いただいています。マーケティング担当者だけでなく、企業全体でGA4データを扱う貴社の体制において、このダッシュボードサービスがマッチしたように感じています。
そうですね。今回ダッシュボードを作っていただいたおかげで、GA4に詳しくないブランドリーダーや取締役も、フィルタや検索を直感的に使えているので、自分たちでデータを確認できるようになっています。
我々としても、以前は多かったデータに関する問い合わせが減ったことでデータ抽出にかけていた時間が減り、その分コンテンツの改善やブラッシュアップに充てることができています。(渡辺氏)
― 例えば、どのようなデータを基に改善活動をされているのでしょうか。
直近では、広告用LPとバナーを数種類作成し、ABテストを実施しました。その結果、バナーとLPの組み合わせによってCVRに差が出ました。LPのキービジュアルに近いバナーはユーザーのイメージとの相違が少ないためか、LP離脱率が低かった。その後、バナーに合わせてLPのキービジュアルを変更するテストも行いました。バナーのCVRだけを評価すると、バナーの摩耗や絵面の強さに関する仮説が出てきますが、LPとセットで見ることで改善施策に生かすことができました。(渡辺氏)
ページの価値を示すデータを見て、購入に貢献するコンテンツを特定し、トップページの目立つ位置に配置するなどの施策を行っています。このように、ページの貢献度が数値でわかることで、実行判断がしやすくなります。サイト運営においては、メーカーサイトとECサイトのバランスを保ちながら、ECチームと連携し、企業ブランディングを意識した全体的な管理をマーケティング部が行っているため、このようなコンテンツの出し分けも、その戦略の一環です。(横田氏)
科学的エビデンスに基づいた製品開発とブランディング
― アクセサリー以外にも、磁気製品という強みを生かしてウェアやサポーターなどの商品展開もしていますね。
そうですね、例えば今売り出しているリカバリーウェアは2代目モデルです。初代はかなり前に発売しましたが、ここ数年で競合が増え、スポーツに関わらない一般の方にも認知が広がってきたと感じています。
他社の製品は、特殊な繊維を使った生地で血行を促進する仕組みが主流ですが、当社は磁石を扱う企業としての強みを活かし、磁気の力で血行を良くする点が特徴です。
実は最近、リカバリーウェアに関して大阪体育大学の先生と共同研究を行い、その結果を論文として国際雑誌に掲載しました。例えば、ランニング後にリカバリーウェアを着用したグループのほうが、未着用のグループと比較して回復力が高いという検証結果が得られています。(渡辺氏)
参考リンク:https://colantotte.co.jp/labo/magnetic-effect-sleep-recovery/
企業としての技術的なバックグラウンドをしっかりと伝えた上で、「磁気が健康に良い」という科学的エビデンスを踏まえたメッセージをメーカーとしてしっかり発信していきたいと考えています。(横田氏)
― 貴社製品は多くのアスリートに愛用されていますが、現在のターゲットは市場規模の大きい一般層が中心なのでしょうか。
ターゲットとしてはスポーツ従事者と一般の方、どちらも重視しています。スポーツ選手の方が着用し活躍することで、一般の方に当社のことを知っていただけますし、体のケアが重要なプロのアスリートが使用しているということでブランドの信頼性向上にもつながっています。
一方で、製品の機能として肩コリなどの悩みを解決できる点も、コラントッテのブランドにとって重要な軸です。例えば、トップアスリートへの憧れから購入を検討された一般の方が実際に製品を試し、効果を実感することで、リピーターになっていただくというユーザー獲得の流れが生まれています。このように、アスリートからの支持と医療機器としての機能性という2つの軸が相互に補完し合い、ブランド価値を高めていると考えています。(渡辺氏)
CRMとGA4の連携による、購入行動の分析を
― 今後、データマーケティングにおいて強化したい領域はありますか。
CRMとGA4データの連携・活用を強化していく予定で、現在はCRM全体のコミュニケーション設計を進めています。
セグメントやステップメールを設計する際に、蓄積してきたデータが役立つと思います。例えば、GA4から取得した初回購入者、リピーター、非購入者のデータを比較することで、購入に寄与したページや行動を把握するとか。これにより、購入促進に有効な訴求やコンテンツを具体的に特定もできると思います。(渡辺氏)
もう一つは、Googleサーチコンソールデータとモニタリングダッシュボードを連携し、世間で話題になったトピックがどのようにサイトに影響を与えているかなどを分析していきたいですね。
検索トレンドのデータはブランドヒストリーを示す重要なものですが、時間が経つと過去データは消えてしまいます。データ蓄積の重要性については先ほども触れましたが、将来的に活用できるようにまずはデータを蓄積していきたい。私たちマーケティング担当者にとって、この検索トレンドデータは、ブランド認知活動の目に見える成果でもあるのです。(横田氏)
― オンライン・オフラインを含めた貴社のマーケティング戦略についてお聞かせください。
まさに、オンラインとオフラインを相互に活用した売上拡大は課題の一つです。例えば、以前実施したリカバリーウェアのキャンペーンでは、オンラインの販促キャンペーンを卸先の販売形態に合わせてカスタマイズして展開してもらい、卸先も巻き込んで販促が成功した事例です。
個人的なアイデアとしては、AR技術なども活用したクーポン展開など、オフラインとオンラインの統合的な販促施策を試していきたいと考えています。(渡辺氏)
「世界的なブランドになる」というグローバル戦略
― 企業として、今後どのような展開を予定されているのでしょうか。
国内市場に加え、長年海外へのブランディングに取り組んできましたが、近年ではフィギュアスケートの第一人者であるイリア・マリニン選手との契約や、パリコレクションに参加する日本の注目ブランド「doublet(ダブレット)」とのコラボレーション商品の展開など、グローバル市場への積極的な進出を図っています。
他にも、15年ほど前に公開された『アベンジャーズ アッセンブル』にも弊社製品やビルが登場しています。トニースタークが弊社製品を使ってアイアンマンに変身したり、弊社代表が登場するシーンもあります。
海外向け戦略としては、現在はアジアを中心に展開しておりますが、弊社の代表は常に「世界的なブランドになる」というビジョンを持っています。(渡辺氏)
― 以前から海外を意識したブランディングを積み重ねてこられたのですね。今後もさらに強化されるのでしょうか。
2025年に開催される日本国際博覧会(大阪・関西万博)に出展しますが、そこで「磁力で健やかに暮らす」をテーマに、プロジェクションマッピング展示を通じて磁力が織りなす未来の社会をご覧いただきます。出展ブースでは自動翻訳機能を採用しており、お使いのスマートフォンの国の言語に自動翻訳される仕組みを導入しています。言語は15カ国に対応し、音声読み上げ機能も搭載。ご来場された世界中の皆様に、「磁力で健やかに暮らす」未来の社会をより深く知っていただけます。
今後は、日本全体でインバウンド需要が増加するため、その市場をまずはつかんでいく必要があると考えています。
マーケティングという観点で言うと、我々の磁気製品は、「血行を良くすることが健康につながる」という訴求が最も重要なので、それを最優先で発信していきます。(横田氏)
コラントッテは、医療機器メーカーとしての信頼性、革新的な商品開発、そしてアスリートマーケティングを組み合わせた独自の戦略により、海外市場の開拓を進め、さらなる成長を目指しています。
BigQueryを活用したデータマーケティングは、メディックスが得意とする分野であり、今後も同社と連携を強化し、データに基づいた分析・改善と、オンラインとオフラインを融合したマーケティング戦略の実現を支援していきます。

株式会社コラントッテ
事業内容:医療機器の製造、販売、日用品雑貨の製造、販売、通信販売業務
設立:1997 年 10 月
https://colantotte.co.jp/